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企画
ふわふわに包まれて(坂田)

お菓子でも持ってこようと、名前は読んでいたファッション雑誌をテーブルに置く。
そしてソファから立ち上がった時にふと気付いた。
向かい合って座る銀時の、その頭のつむじが見えていることに。

名前の身長は女性としては平均的だが、銀時の身長は高い方だ。
銀時がふと思い出したかのようなさりげなさで、ひょいと自分にやってくる頭への口付けを、
名前はどれだけ背伸びをしたってできない。

それをされると名前はとても嬉しくなる。
する方はどんな感じなのだろうか。

「名前ー、立ったついでにいちご牛乳持ってきてくんない」

読んでいるジャンプから顔を上げることなく名前に言う銀時に返事もせず、名前はささっと銀時の前に立った。
そんな名前の行動に、銀時はジャンプから顔を上げ、いぶかしげな顔をして名前を見上げる。

「どしたよ」
「身長が高いってどんな感じなんだろーなーって」

銀時のがっしりとした幅のある両肩に手を置くと、銀時のふわふわとした髪にゆっくりと唇を落とした。
顔に当たる銀時の髪の毛は腰があるのに柔らかく、気持ちがいい。
あまり見ないような髪の色。名前と同じシャンプーの香り。愛しくてたまらない銀時の天然パーマ。
夢中になって何度も唇を落とす間、銀時は何も言わず名前の行動を静かに受け入れてくれていた。
名前が頭から顔を離すと、銀時はゆるやかな笑みを浮かべ、名前の腰に手を回してくる。

「銀さんの頭にチューして何かわかった?」
「銀時の髪の毛は本当にうねってるね」
「口塞いでやろうかコノヤロー」

銀時は名前の腰をぐいと引き寄せると、名前を自分の腰に跨らせる。
笑い声をたてて、名前は膝立ちの格好で銀時の頭を胸の中に抱きしめる。
その髪に顔を埋めるようにして、頬ずりした。

「胸、思いっきり俺の顔に当たってるんですけどー。誘ってるんですかー」
「誘ってませーん」
「あんま顔すりすりすんな、摩擦で毛が抜けたらどーすんだ。ハゲたら責任とってもらうかんね」
「もしハゲたらきついパーマかければいいんじゃない? 爆発頭にしたらハゲも目立たない!」
「別の意味で目立ってどーすんだ」

頬ずりをやめない名前をばりっと自分の頭から引き離し、そのままソファに押し倒す。
驚きもせず、名前は銀時に向かって笑った。

「気持ちよかったのに」
「よしよし、銀さんが今からそんなのよりもっと気持ちよくしてやっからな」

腕を伸ばし、銀時の髪に名残惜しげに指を通してくる名前に覆いかぶさるようにして口付けた。



■銀さんの天パに顏をうずめるお話

でリクエストいただきました!
銀さんの髪の毛って柔らかくて量が多くて触り心地良さそうだなゲヘヘとか思いながら書きました。
想像するだけできゅんとなってしまうような素敵なリクエスト、どうもありがとうございました!
とっても楽しかったです!

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