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企画
便秘だったら浣腸手伝いますぜ(沖田)

うーんうーんと腕を組み、秋の空を眺めながら屯所の中庭で名前は一人考え事をしていた。
そんな名前の背後から気配を消しそろりそろりと近寄ってきた沖田に唐突にふうと生暖かい息が吹きかけられ、名前はきゃあと飛び上がる。

「何さっきからうんうん唸ってるんでィ。便秘だったら浣腸手伝いますぜ」
「便秘じゃないよ。銀さんの誕生日、もうすぐだっていうじゃない?」
「ああ、そーなんですか。初めて聞きやした」

沖田が心底どうでもよさげにそう言葉をこぼすなり、名前を後ろから抱きしめてくる。
名前はそんな沖田にふふ、と笑うとそっと自分の目の前で組まれた沖田の手に触れた。

「銀さんには色々とお世話になってることだし、命の恩人でもあるわけだし、ちょっとしたもの贈ろうかなって」
「へえ。ちょっとしたものっつーと……例えば?」
「だからそれが思いつかないからさっきから悩んでるんじゃない」
「土方さんの首でも持っていってやんなせェ。きっと喜ぶに違いねェや」
「……それのどこがちょっとしたものなのかな」
「いっけねェ。こんなプレゼントあげちまったら他の奴らのプレゼントが霞んじまうとこだった」
「そういうことじゃなくて」

真剣に考えてるの、と名前は沖田の腕の中で身体を捻って見上げてくる。

「別にわざわざ名前さんがプレゼントあげなくてもいいと思いやすがね」
「逆に気を使わせちゃうってこと? あまり負担にならない程度のもの考えてたんだけど」
「次に町で会ったときに団子でも奢ってやりゃいいんでさァ」
「うーん、でもなあ」

沖田の言葉に納得いかない様子の名前に、沖田が優しい眼差しを注ぐ。

「俺と居るときに旦那のことばっか考えないで下せェよ」

考え事をしてる時に沖田さんがきたくせにと名前が唇を尖らせる。
しかし甘い微笑みにほんの少しだけ寂しげな表情を見せる沖田に、自分は何も悪くないというのに罪悪感がこみ上げてくる。

「じゃあ今は目の前の恋人のことだけ考えようかな」

冗談めかして言った名前の言葉を聞き、沖田が本当に嬉しそうに笑った。




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あきゅろす。
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