企画 指でなぞって確かめる(長編銀さん) 「消すぞー」 立ち上がり蛍光灯の紐に手を伸ばす銀時を眩しげに見上げながら、名前は横たわったまま微笑みを浮かべ「はーい」と返事する。 自分の枕がちゃんと銀時の枕にくっついてるか頭を浮かせて認すると、もぞりと重そうに身体を動かし、自分の枕に頬を預けるようにして銀時の眠る方へと身体を横向かせた。 そんな名前に顔をほころばせると、銀時は二度その紐を引っ張り電気を消す。 電気が消えた直後の部屋は、面白いくらい唐突に闇に全てを覆い尽くされ、真っ黒で何も見えなくなる。 そんな中で銀時は目を凝らし、ぼんやりと浮かんできた名前の白い襦袢に手を伸ばした。 すぐに、ここだよ、と名前の手が銀時の手を見つけ、そっと握ってくれる。 そのまま指を絡めつつ、銀時は名前と同じ布団へ入った。 「明日、お天気だといいね」 「だなー」 銀時は名前に返事をしながら、離した指先で名前の肩から腕にゆっくりと触れる。 視界がだいぶ戻ってきた。穏やかに顔を緩ませ銀時を見つめている名前の表情もちゃんとわかる。 「依頼主さんとの約束は十時だから、銀さん起こすの八時くらいでいいかな?」 「九時でいいだろ九時で」 「ふふ、わかった。新八くんと、お泊りにいってる神楽ちゃん、八時に朝食食べに帰ってくるって言ってたけど、銀さんのぶんはちゃんと残しておくからね」 「おう、頼むわ」 銀時は寝転んだ状態で片肘をつき自分の頭を支えると、自分の指の間に名前のさらりとした髪を通す。 名前は気持ち良さそうにふわりとした微笑みを浮かべ、直後に小さくあくびした。 「悪かったな」 「なんのこと?」 「風呂で無理させちまってよ」 つい先程、明るい浴室に立ち昇る湯気の中、二人は様々な体位で濃密に交わりあった。 唇を噛んで思考が飛ぶほどの快感に身をよじる名前に、容赦なく突き上げ続ける銀時。 荒く紡がれる吐息が浴室の壁に反射して響き、更に身体の熱が上がった。 銀時の言葉にその時の行為を思い出し、名前の頬がみるみる赤く染まっていく。 「無理なんて……してないよ」 恥ずかしそうに動く名前の薄紅色の唇に、銀時が自らの唇で軽く触れた。 一度離すと、潤む瞳に銀時への愛情を静かにたたえた名前が、長い睫を震わせ「銀さん」と甘えるように銀時の名を呼ぶ。 今度は軽くでは済まなかった。 柔らかな唇に荒々しく唇を重ねた銀時は、名前のとろけたように緩む唇からぬるりと舌を差し入れる。 喘ぎと吐息の交じった音が、名前の口から漏れた。 あれだけ浴室で名前の中に精を吐き出したというのに、銀時の心と身体はなおも名前を求め、下半身が甘く疼いてたまらなくなる。 このまま名前をまた抱くこともできるだろう。 名前はほとんど体力の残っていない身体で、それでも幸せそうに銀時を受け入れてくれるだろう。 銀時は、ちゅぱ、と音を立てながらねっとりと重ねていた名前の唇から少し顔を離した。 どうして離しちゃうの? と、ぼうっと銀時との口付けに色付き惚けた瞳で名前が問いかけてくる。 「大事な女にテメーの欲望押し付けて無理させたかねーんだよ」 「無理なんかじゃないよ。銀さんとすると、幸せな気持ちでいっぱいになるから」 「HPゼロに近いクセに何言っちゃってんだか。いや体力ガンガン削っちまったの俺だけどね」 ふふ、と笑う名前の頭の下に銀時は自分の腕を差し入れる。 筋肉の乗った銀時の腕は柔らかな枕に比べかなりかたいだろう。 けれど、名前は本当に幸せそうに、嬉しそうに、目を細めて頬ずりしてくれるから、毎回自然と心から愛しいという気持ちが湧き上がってくる。 しばらくの間、視線を絡ませながらなんでもない言葉を交わした。 そのうちに、うとうとと、重たげに閉じかけた名前の瞳が、もう耐え切れないというように段々と下がってくる。 「名前」 「……ん……なあに、……銀さん」 「おやすみ」 「おやすみ……なさい……」 髪を撫で、額に唇を落とす。あどけない寝顔に手を添え、銀時は笑みをこぼした。 すう、と寝息をたてはじめた名前を起こさないよう、名前の枕を引っ張り、そっと自分の腕と入れ替えた。 よほど疲れていたのだろう、名前は起きることなく枕に頭を沈め、口元を僅かにほころばせる。 そして銀時は再び片肘をついた格好になり、名前をじいと見つめながら、その唇に指で触れた。 ん、ときゅっと動いた名前の唇に、思わず笑みを深める。 なめらかな頬の輪郭。やわらかな耳の皮膚。細い首筋。ちらりと見える鎖骨。 銀時はねむくなるまで名前のいたるところを指でなぞり続けた。 ■長編銀さんで夜に布団で寝る前のイチャ(ほんとちょっとのエロ+まったりイチャでおやすみzzz のリクエストで書かせていただきました!!読んで下さってありがとうございます。 エロ、これくらいの濃さで大丈夫でしたかね!? いつも例外なくイチャイチャな銀さん達に乾杯。 長編銀さんのリクエストいただけてとっても嬉しかったです!どうもありがとうございました。 2015/04/17 いがぐり [*前へ][次へ#] [戻る] |