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企画
続・もしも高杉さんが吸血鬼だったら

血を吸う、なんて高杉さんは言ってたけれど、彼はそこまで深く私の首筋に歯を埋めたりはしなかった。

「いた」
「痛みに慣れてねェってツラしてるもんな」
「怪我とか病気とか、無縁の人生送ってきてるから」
「そうかよ」

一度首筋から顔をあげ、にっこりと片目を細めた高杉さんは、素肌の胸と胸をあわせるようにして唇を被せてきた。

「すぐに痛みなんざ消えちまうよ」

高杉さんの吐息が首筋にかかった。ぶるりと身体が悦びに震える。
唇が当たり、その間からぬるりとした高杉さんの舌が噛み痕を中心に円を描くように動いた。
無意識に息が弾み、腰が甘く揺らめいてしまう。
血を吸われてる、というより、舌で首筋を愛撫されているかのように舐められて、
そんな高杉さんの舌の動きに恍惚とした気分になる。

「これで私も血が飲みたくなったりするの?」
「さあな」
「なにその適当な返事」
「面白ぇじゃねえか、この先どうなるかわかんねえってのは」

この人は、二度と取り戻せない大きなものを失った人なのだなと、今の言葉を聞いて思う。

「私は私でいたい」
「名前は俺が噛んだぐらいで変わるような女じゃねぇよ」
「でも、少なくとも前の私は犯罪者に身体を許す女じゃなかったけどね」
「ハ、どういう心境の変化で俺と寝たんだよ」
「教えてあげない」

高杉さんが侵してきた犯罪は許されるものじゃない。
何を目指して破壊に手を染めるのかなんて、聞きたくも無い。
だけど、片目の奥の、今にも壊れそうな何かを信じる光をふいに見つけてしまい、それが目に焼きついて、どうしても離れなくなったのだ。
知りたくない、けれど知りたい。
一緒にいてはいけない。けれど離れたくない。
恋というのは厄介だ。

そんなことを考えていたら、高杉さんが私の肩を噛んできた。
腹部、腿、脚の指。血が出ないくらいの強さで高杉さんは私の全身に妙に時間をかけて歯型を残していく。
じわりと首筋が疼いた。高杉さんに噛まれて残った歯の痕が。

「舐められたところが熱い」

浅い噛み痕から血がじわりと滲む感覚がした。
普段、ちょっとした怪我をした時だってそんなこと感じたことないのに。
もっと舐めて、もっと欲して、と身体が高杉さんを求めてる。
高杉さんもそうに違いない。だって、吐息や下半身が、欲望を募らせている。
私の足を抱えた高杉さんは、下半身を私に押し当てて優艶に微笑んでいた。私が欲しいと言うのを待っている。
少しでも腰を進めたらまた何も考えられなくなるような快感に襲われるのだろう。

「血ィ舐められるか、抱かれるか。好きな方を選んでいいぜ」
「どっちも、って言ったら?」

私の言葉に嬉しそうに笑った高杉さんが、ぺろりとその薄い唇を自らの舌で舐めた。

「だったら両方くれてやらァ」




吸血鬼の続編、というリクエストをいただきましたので、高杉さんのお話にしました♪
続編をというご希望をいただきますと、その話のことをそこまで気に入ってくださったのだととっても幸せな気持ちになります。
リクエストどうもありがとうございました!!


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