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長編はみだし話(番外編)
・バレンタイン朝

銀時へと作ったトリュフは、渡して30分もしないうちに全て銀時の腹の中へとおさまった。

自分が丸め、ココアパウダーをまぶし、少しでも見栄えの良い角度をと慎重に調節しながら箱へと入れたトリュフだった。
それをうまいうまいと幸せそうに味わってくれる銀時の頬に我慢できず口付けすれば、
お返しと言わんばかりに甘い香りをまとった銀時の唇が重なってくる。

銀時はかなりの上機嫌だった。
名前から愛のこもった手作りのチョコレート、そして神楽に押し付けられるように渡されたものも相当嬉しかったに違いない。

「銀さんの唇はいつも甘いね」
「甘いぜ〜、どーせなら深夜向けのもっと激しいの味わっとく?」
「銀さんまだ午前中だよ。激しいのは後のお愉しみにとっておきたいから、今はマイルドなものでお願いしまーす」
「あいよー」

銀時はくすりと笑い、軽く啄ばむように唇を重ねてくる。
その口付けは、決して激しくはないのというに、腰にずんと甘く響いた。
トリュフにほんの少し華やかな香りを付ける為に加えたブランデーのせいだろうか。
あ、ともらした名前の甘い声に、ごくりと銀時が喉を鳴らす。

「………」
「銀さん……、……っ」

銀時は無言で名前の唇に自分の唇を深く重ねる。
激しくは無い。しかし、名前にはとても濃厚なものに感じられた。
ちろりと唇の間を銀時の舌でつつかれる。

「舌、入れちゃ、だめ」
「んー?」

酒に弱い名前は、銀時との口付けとブランデーの香りだけで身体を熱くさせながら、そう小さな声で懇願する。
頭の芯が痺れて、ふわりとした浮遊感に思わず銀時の身体にしがみつく。

「だめって表情じゃねぇだろ」

なまめかしく笑い色っぽい声で名前に囁きながら、銀時はゆっくりと名前をソファへ押し倒した。





名前さんがまだ妊娠していない頃のお話だと思ってくださいませませ。
今年はバレンタインのお話がいっぱいかけて嬉しかったです。
読んで下さってありがとうございました!

いがぐり
2014年2月14日

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