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まわる。マワル。廻る。
壱の八

ガーーーーーーーーン

ちろっと先生を見れば、口をぱかっと大きく開けてショックで打ちひしがれているようだ。

先生よ…。 ショックを顔に出しすぎだぞ…。
あぁ、なんて、教師らしからぬ先生…っ! あぁ、なんて、教師らしからぬカワユさ…っっ!!

私は、この太郎……、違った違った違った。
教師をこれから1年間、見守ってやることを、一人心の中で決意した。


*****



「―――かっがやぁーーけっ、うぅみぃーーに、われらっのーーぉ、
 大海小学校ぉーーー♪ チャンチャチャンッ!」

校歌を一人大声で歌いながら、凰雅は私と繋いでいる手をぶんぶん振り回し、歩いていたのに、
丁度歌が終わったと同時にピタッと止まった。

「のわっ!!」

凰雅の珍しく可愛い様に温かい目を向けていたら、止まったのに気付かなくて前につんのめった。

「なぜ急に止まるのだっ!!」

そう怒鳴れば、

「だって、オレの家、着いたもん。」

そう言われた。
横を向けば、確かに凰雅の家の前だった。

凰雅を観察するのに忙しくてちっとも気付かなかった……。
くっ、不覚を取ったな…。

近距離組みはかなり小学校から近い所に自宅がある。
校歌の三番まで完唱すれば、到着するのも当たり前。

「オレっち寄ってく? ういぃーってヤツ買ってもらったんだっ!」

はぁ…。最近の子どもは…。

「ゲームばかりでなく、子どもらしく外で遊べ…っ!」

ふぅー、言ってやったぞ。

「だって、オレは兎も角、波輝、“運動おんち”じゃん。
 一緒に外で遊んだって、ちっとも面白くないじゃんっ!」

むむぅ…、確かに…。
またもや、凰雅は可愛くないことを言う。

こう見えて、前の私はだな…っ!
前の私は……………、やはり運動おんちだったな…………。

「分かった。少しだけだぞ…?
 電話をかしてくれ。 母に連絡をするから。」

「うんっ!」

そう言って、笑顔で凰雅は手をぐんぐん引っ張っていく。

あぁ、なんだ…。 やはり凰雅は可愛いではないか。

「ただいまぁーーーっ!!」

「こんにちはぁー、お邪魔しまーすっ!」

私は凰雅に続き子どもらしく元気に挨拶をして、凰雅家にお邪魔させてもらう。

「はいはい、お帰りなさい凰雅。 あらあらぁ。可愛いお客さんだこと。」

笑顔で玄関にやってきた凰雅母は、凰雅に挨拶を返し、私に向かって可愛いと言った。

まぁ、無邪気さを演じる私は、可愛らしく見えるのかもしれないなぁ…。

「手洗いうがいしてから、遊びなさいねっ! 後でおやつ持って行くから。」


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あきゅろす。
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