白蘭の態度の変化は、誰が見ても明らかだ。一体どうしたと言うの??
恐らく、おしゃぶりの輝きを見てから。あれから、彼の態度が変わった。
「――白蘭。何故、貴方が私を欲しているかは、分かっています」
ユニは、そう答える。
「分かっているからこそ、貴方の元へ帰る訳にはいきません!」
「ふーん。じゃあやっぱりボンゴレリングは僕らのものだ。ユニチャンが逃げ込もうとしている連中に、みすみす武器を渡すつもりは……ない」
「ボンゴレリングは貴方のものじゃないです!!」
おしゃぶりはアルコバレーノのもの。ボンゴレリングはボンゴレファミリーのもの。それは真理。
なのに貴方は、歌姫様と73を手っ取り早く手に入れる為、無理矢理チョイスを開催し、歌姫様と73を賞品にしました。
「私の魂がある限り、大地の匣の封印を守る73の一角を担う大空のアルコバレーノとして、それは許しません!」
即ち、歌姫・73争奪戦は認めません。チョイスは――無効とします!!
「む、無効!!??」
「……て、事はっ」
「どう言う事だ!!」
「歌姫様とボンゴレリングを渡さなくて良いです」
渡さなくて良い。彼女の言葉に、沢田さん、獄寺さん、笹川さんはア然。
しかし白蘭は、ただでは引き下がらなかった。
「…確かに大空のアルコバレーノは、73の運用について、先代歌姫から特権が与えられてるらしいけど、僕を怒らせるのは、どうかと思うな」
――ボスのユニチャンが裏切ったとして、残されたブラックスペルがどうなっても良いのかい?
白蘭は、彼女の仲間であるブラックスペルの人々を、人質に取ったのだ。
私はグッ唇を噛み締める。どうしてこんな卑怯な真似が出来るのだろう。
どうして、こんな…っ
「みんなは、みんなは分かってくれます」
告げられた言葉に私はハッとした。慌てて彼女を振り向いて、息を飲む。
その目は、全てを覚悟している瞳だったから…。
「ユニチャン、君の白馬の王子は頼りにならないよ♪だから戻っておいで。今ならまだ許して―」
あげる。白蘭の言葉がそう続く直前。彼女の腕を掴み取った人物が居た。
「来るんだ!!オレ達と」
彼女の腕を掴んだのは、
「オレ達と一緒に!!!」
ユニ光臨
(我らの若きボス。ボンゴレ10代目、沢田綱吉)
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