「成る程。そう言う訳か。凄いよユニチャン。やはり僕には君が必要だ。さあ、仲直りしよう」
目の色を変えた白蘭がユニに近付こうとするが、
「来ないで!もう貴方には、私達の魂を預ける訳にはいきません!」
「ふふ。何勝手な事いってんの?それ持って逃げるなら世界の果てまで追いかけて奪うだけだよ」
そう言って更にユニに近付こうとする白蘭。彼が右の指に填(は)めたマーレリングが怪しく瞬く。
その手がユニへと伸びようとした、次の瞬間。
ズガン!!
けたたましい銃声と共に、白蘭のコートの袖めがけて黄色い閃光が走る。
「………」
白蘭は、焦げて白煙の上がる袖部分を眺めながら、ゆっくりと振り返り。
「ナイト気取りかい?最強の赤ん坊。リボーン」
「おじさま!!」
ユニは咄嗟にリボーンさんの元へ走り出す。
「図に乗るなよ白蘭。てめーが誰でどんな状況だろうと、アルコバレーノのボスに手を出すならオレが黙っちゃいねーぞ」
――と、そこで。
「白蘭様、ご安心下さい。名前様とユニ様は我々が直ぐにお連れします」
急に桔梗が口を挟んだかと思えば、彼は足下に炎を灯し、飛び上がった。
しかもザクロやトリカブトまでがそれに続いて。
「ハハン」
全員が「しまった!」と思った時には既に遅く、桔梗の放った攻撃が、目前まで迫っていたのだ。
ドドドドドーン!!
だがその攻撃は、後方から飛んできた小さな丸い爆薬に全て粉砕される。
「う゛お゛ぉい!!てめーの相手はこの俺だぁ!!!!暴れたくて、ウズウズしてたんだよぉ!!!!!!!」
「…邪魔だよ。あれは僕の獲物だ」
「ンだ、てめーはぁ!!つつくなぁ!!!!」
攻撃を粉砕してくれたスクアーロと、そのスクアーロさんを愛用のトンファーでつつく雲雀さん。
どうやら相当ストレスが溜まっているらしく、二人共、臨戦体勢のよう。
「…きなよ」
「ハハン。良いでしょう」
敵側も同様らしく、双方から嫌悪な空気が漂う。しかし、そんな桔梗達に待ったを掛けたのは、
「まあ、落ち着こうよ、桔梗チャン♪」
何故か、元凶の白蘭。
「ユニチャンは今までずっと眠っていたも同然だったんだ。急に目覚めて気が動転してるんだよ」
「ハッ、白蘭様」
従順な桔梗に満足げな顔し、白蘭はユニに対してある提案を持ち掛ける。
彼の持ち掛けた提案と言うのが、もしユニが帰って来てくれるのなら、ボンゴレリングは、ボンゴレファミリーに返しても良いと言うものだった。
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