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113.桔梗強襲 ***


私が座席に座るのを確認した後、入江さんがユニットを動かし始めた時、



『ボンゴレ基地は!?そっちはどうなってるっ』



少し焦った声の沢田さんから通信が入る。



「綱吉君かい?桔梗は目前に迫っている。最終トラップを破られ、もう逃げるしか打つ手はない」

『何だって!!』

「沢田さん!沢田さんの方はどうなのですか!?」

『駄目だ。超高速で異空間を突っ切ろうとしてみたが、脱出も出来ずトリカブトも現れない。恐らく奴の目的は“オレの足止め”だ。これじゃあターゲットに向かえない』



それを聞いた瞬間、入江さんが拳を叩きつけた。



「くそぉ!!ミルフィオーレの戦法の方が上手だったっていうのかぁっっ」

「入江…さん」



悲痛な彼の叫び声が私の胸を締め付ける。しかし入江さんは直ぐに気持ちを切り替え、モニターに映る桔梗を睨みつけた。



「桔梗、後方より急速接近。このままだと追い付かれる!どうする正一」

「囮(デコイ)は打ち落とされ、レーザーも通じない。残る手立ては…っ」

「こうなったら逃げられるだけ逃げるしかない」

「分かっている!!」



桔梗との距離が270まで迫る。その距離は更に縮まり250…200…と迫っていって。なおかつ、モニターに映る桔梗が攻撃態勢に入るのが見えた。

――が、次の瞬間、桔梗めがけて複数の何かが飛んで行き、彼の周囲で凄まじい爆発が起こる。
何が起こったのかとモニターを凝視する私の目に飛び込んで来たのは、



『やらせねぇ!』

「獄寺さん!!!」



相棒の瓜を従えた獄寺さんだった。しかし、喜んだのも束の間。桔梗は目にも留まらぬスピードで獄寺さんに迫り――、



『脇役は退場の時間です』

(しまった!!!)



ドドーン!!



「「獄寺さん(君)!!」」



モクモクと上がる爆煙を背後に、再び桔梗が接近してくる。そして放たれた桔梗の攻撃。それは見事にユニットを直撃。


ドドドドドーン!!!!



「きぁあああああっっ」

「「うわぁあああっっ」」



凄まじい衝撃が私達三人を襲う。操作不能となったユニットは、そのまま近くのビルに激突し、そして、完全にその動きを停止させたのだった。



桔梗強襲


(チェックメイトです)


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あきゅろす。
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