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30.流れる 雲 **


「私の事は気にせず、続けていいのよ。隼人」

「何をだよっ///」

「///」



ち、ちょっとビアンキさんが来てくれて助かったかも。あのまま獄寺さんと二人きりだったら心臓、爆発してました///



「そ、それより姉貴は用があって来たんだろ!」

「そうね。今日は(からかうのを)この位にして置くわ。………リボーンから報告が来たわよ」

「!!」

「リボーンさんから!」



一気に緊張が走る。
ビアンキさんから渡された報告書には驚くべき事が記載されていた。




◇ ◇ ◇


「恭弥!恭弥は何処っ」

「ファルファッラ様!落ち着いて下さい」



ベスティオーラファミリーの屋敷内。朝から姿の見えない雲雀恭弥を探して、ボスであるファルファッラは屋敷中を走り回って居た。



「落ち着いて居られる訳がないでしょう!!恭弥が、恭弥が居ないのよっ」

「あの男の事です。また何処で寝ているかも…」

「彼の居そうな場所は全て探したわ!でも何処にも居ないのよっっ」



雲雀の様子が可笑しい事には気付いていた。

あれは雲雀が一人で外出した日の事だ。それまで何時、どんな時でも自分の傍を離れなかった雲雀が急に居なくなり、まさか記憶が戻ったのでは…とファルファッラは街中を探し回った。彼を見つけた時は本当に嬉しくて…。ファルファッラはホッと安堵の息を吐いた。

けれど喜んだのも束の間。その日を境に雲雀の様子が変わってしまったのだ。最近では何も言わずにふらりと居なくなる事が多くなった。何処に行って居たのか問い正しても彼は絶対に口を割らない。そんな雲雀の態度が彼女を更に苛立たせる。



(どうして何も言ってくれないの!!一体何処へ行っているの…っっ)







「…彼、記憶が戻り掛けてるのかもね」







ピリピリと張りつめた空気には似付かわしくない、穏やかな声色が室内に響く。ビクリと肩を揺らしたファルファッラは声の主を振り返った。



「……どう、いう、意味………“白蘭”……」

「やあファルチャン。ご機嫌斜めだね」

「話をそらさないで!恭弥の記憶が戻り掛けてるってどういう事なのっ」

「ん?言葉通りだよ」



声の主、白蘭は凄まじい剣幕で怒鳴り声を上げるファルファッラの横を涼しい顔で通り過ぎる。


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あきゅろす。
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