小説
とある朝の出来事#
──ピピピピッピピピピッ
「…んぁ…」
うるさく鳴り続ける目覚まし時計に手をのばして音を止める
「…朝、か」
窓から差し込む朝日の光が眩しくて、右に顔を傾けた
「……っ!?ルフィ!!?」
「んー……」
いつの間にか、俺の右隣にルフィがいた。
布団の中に入って仰向けの状態で顔を俺の方に向けて熟睡中…
…なんで?
いや待てよ昨日は普通に寝たはずだ。
昨日の記憶を必死に呼び覚ましてみる
「……」
昨日は確か…俺は友達と遊んでて、ルフィにメールで夜遅くなるから先寝てろっつって、んで帰ったのが3時でルフィの寝顔見た後すぐ自分の布団入って……
寝た。
1人でちゃんと寝たはずだ。
どうしてルフィが隣に?
いや嬉しいけども。
俺理性を保つのが苦手だから、我慢しねぇとすぐに襲っちまうんだよな…
特にこんな無防備な姿で同じ布団に2人きりってシチュエーションとか。
やばい襲いたい。
ちなみにルフィはというと、これまたぐっすりと気持ち良さそうに寝てやがる。
……キス、くらいなら…いいよな?
朝っぱらからどうかとも思うが、ルフィのこんな姿を見てはしょうがない。
ゆっくりと顔を近づける。
ルフィの上に覆い被さるようにして、そっと唇を合わせた。
触れるだけの、短いキス。
…だったはずが。
「ん…ぅ」
ルフィがもぞもぞと頭を動かし始めた。
「あ、悪い起こしたか?」
「…ース…」
「え?」
「エー、スぅ…」
「……!!」
ルフィが俺の名を呼んだ…っ?!
しかも寝言で。
「俺の夢でも見てんのか?」
「んぅー…」
あーもう可愛い。
なんでこいつはこんな可愛いんだろ。
我慢できなくなって、もう1回ルフィにキスをした。
唇をこじ開けて、舌を絡ませるように深いキスをする。
「…っん、んぁ…?」
さすがに目が覚めてきたみたいだけど構わずに舌の動きを激しくする。
時折ルフィの舌を吸い上げてやると、もう完全に起きたのか体をびくつかせる。
しばらく口腔を貪った後、ゆっくりと唇を離した。
するとルフィは互いの唇を繋いでいる銀の糸も気にせずいきなり大声を上げた。
「っいきなり何すんだよエース!」
「何っておはようのキス?」
にやりと笑いながら答えるとルフィは少し顔を赤くして反撃してきた。
「エースのバカ!寝てるときにいきなりしてきたらびっくりするだろ!!おれが起きてからしろよ!」
「たまにはこういうのもいいじゃねーか」
そっか、確かこいつ不意打ちに弱いんだっけか。
…って、にやにやしてる場合じゃねぇよ。
「あのさルフィ、お前なんで俺の布団なかにいんだ?」
元々の原因…っつーのか、まあ気になってたことを聞いてみた。
「あぁ、昨日夜トイレ行ったときにエースが帰ってきてるってわかったから一緒に寝たくて布団入ったんだ」
けろっとした顔でルフィは言った。
…可愛いこと平気で言いやがって。
ああもう可愛い可愛い可愛い!!
「うわっ!ちょ、エース?!」
もう我慢できなくて、俺は勢いよくルフィを布団に押し倒した。
「ルフィ、可愛いこと言うじゃねーか。わかった、兄ちゃんとことんお前に付き合うよ」
「え、なんだ?なにするんだ?」
「朝からってのもいいかもな」
やや困惑気味のルフィをよそに、俺はにやつく顔を抑えながらもう1回キスをした。
何回も、唇を重ね合わせて──
さあルフィ、
これから何回でもイかせてやるよ。
俺の布団に入るってのは
そういうことだろ?
「ちょ、ぁ…エース…っ」
大好きだ、ルフィ。
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