◇ 「あ、そうそう。名前!」 「名前?」 「俺の名前、藍沢要だから」 「要?」 「そ。だから《カナ》じゃなくて《要》って呼んでね?」 「うん!分かった!」 元気良く返事をする智樺が、要には可愛い子供の様に見えてしょうがなかった。 図体は[これでもか!]ってくらいデカイが… そんな智樺の頭を撫でるのが要のクセの様なもので、今も片付いたソファーに座りながら撫でている。 智樺はと言うと… かなり気持良さげに目をつむっている。 それはまるで、飼い主とペットの様だった。 しかも、智樺は要の前以外はほとんど無表情だから、学園の奴等が見たら、珍しいを通り越して、明日の天気を心配するだろう。 雨とかじゃなくて… 槍とか雹レベルの凶器が降らないかを… 「カナ…要はさ…なんでDice辞めたの…?」 「ん〜。それがさぁ〜」 と辞めることになったきっかけを、ちょっと誤魔化して言った。 「そうか…。嫌いになった訳じゃないんだね…」 「当たり前!!つーか俺が作ったチームだしね!」 「それもそうか…」 そう言って二人は笑いあった。 久しぶりの穏やかな時間に、要は少し疲れがとれた気がした。 「これからよろしくな!」 「よろしく!」 [*前]≡⊂(´∀`⊂)(⊃´∀`)⊃≡[次#] [戻る] |