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ピーンポーン…

ガチャ


「お待ちしておりました」


そう言ってナイススマイルをくれたどう見ても執事にしか見えない老人に、俺は見覚えがあった。


「田中さん?」

「はい、ご無沙汰しております。要お坊っちゃま」


お坊っちゃまと言うフレーズに吹き出した者が若干2名程いたが…

まぁ後で殴っとくとして…


「お坊っちゃまはやめて下さいよっ」

「おやおや、失礼致しました」


そう言って、ホッホッホッと笑う彼は、田中 総一郎(タナカ ソウイチロウ)さんと言って昔麗ちゃんの屋敷で働いていた人だ。


「知り合い?」

「うん」


確か今は…

そう考えて固まってしまった。


「!! まさかっ」

「そのまさかだぜぇ」

「!!!」


その声に田中さんの後ろを見やると、今しがた頭に浮かんだ人物が優雅に立っていた。


「なっなっなっ!!」

「言葉喋れよ」


そう言ってニヤリと笑う彼は城央 綾(シロナカ リョウ)と言って、麗ちゃんの…弟である…


「「あ、理事長代理だー」」

「は!?」

「餓鬼共さっさと上がれ。玄関でウジャウジャするな」


いやあんたがドア塞いでるんだろ!?と言うことはこの際言わないことにして…

(まぁ言えないけどね)

それよりも…!!


「り、理事長代理!?はぁ!?代理!?」


何その新事実!!


「あ゛ー!?いいから黙って付いてこいよ」

「はい…」


えーと、言っときます。

俺この人にも逆らえません!!

え?さっきの会話で分かったって?

なんだよ畜生っ!!


ガッ!!


「いっ…!!!」

「さっさと来いって言ってんだろうが!!」

「すみません…」


いいんだもう…

俺この兄弟に苛められる運命なんだ…

ははは…


そんなことを思いつつ、足はちゃんと動かす要だった。


い、いつかっ!!

……………いや、止めとこ…




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