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Side:要


「ありゃりゃ。こりゃ酷い」


3時間目の移動教室から戻ってくれば、机の上は凄いことになっていた。

机には破かれたノート類。

その上に赤いペンで書かれた“死ね”の文字。

典型的な虐めのそれに、笑いさえ起きてくる。

あ、本当に笑いそう…(笑)

下を俯き肩を震わす様が泣いている様に見えたのか、周りからはクスクスとヒソヒソ話が交わされる。


バンッ!!


本日何度目か分からない音に、ため息を我慢して横を向けば鬼の形相で周りを睨む智樺。


「やったのだれだ…!!」


滅多に叫ばない智樺。

その迫力はかなりのもので、温かい環境で育って来た坊っちゃんには恐怖が強すぎたらしい。

一様に目を反らせず、ガタガタと震えている。


「智樺」


この場にそぐわない俺の声。

智樺はピクリと反応するものの、こちらに顔を向ける気はないらしい。

ふぅ…

心の中でため息をつく。


「智樺…。俺の事そんなに信用出来ない?」

「ちがっ…!!」


俺の言葉に勢いよくこっちを見る智樺。

顔には“しまった”と書かれている。

俺はにっこり笑って智樺を見据える。


「俺は大丈夫。そんなにヤワじゃない。それは智樺だって知ってるだろ?」

「…ん」

「さっきだって泣いてたんじゃなくて、典型的な虐めだなぁって笑えてきてさ(笑)」


俺の言葉に一同唖然とする。

智樺もポカンと口を開けていてつい笑ってしまった。


「…//」


顔を赤らめ目を反らす智樺が可愛くて、背伸びして智樺の頭を撫でてやる。

智樺も頭を下げてもっともっととせがむ様子は子供の様である。


「俺が大丈夫って言ったら大丈夫なんだよ。だから、俺が助けてって言ったら助けてよな?」

「うん!!」

「よし!」




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あきゅろす。
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