◇ 校舎の中に入るとますます視線も話し声も増えてしまった。 まぁ智樺と居るから、隠れようがないのだが…(苦笑) 本当はロビーで智樺とは分かれて職員室に行くつもりだったが、 「絶対俺から離れちゃダメ!!」 と首を縦に振ってはくれず、しょうがないので職員室までと言うことになってしまったのだ。 敵意の中、やっとのことで着いた職員室。 何回も振り向きながら教室に向かう智樺を見送った後、ノックをしてから扉を開いた。 「転入生の藍沢ですが、木下先生は居ますか?」 と尋ねれば、近くに居た先生が、 「あそこで寝てる先生だよ」 と苦笑気味に教えてくれた。 言われた机を見てみると、机に突っ伏している人が見えた。 遠くからでも分かるあの金髪は、間違いなく木下先生だ。 教えてくれた先生にお礼を言ってから、木下先生の所に向かうと、スースーと本当に寝ているらしい… SHRの前に先生が寝ていいのだろうか…? ダメだろうな…(苦笑) なんて呑気なことを言っている暇はなくて、職員室にはもう誰も居なくなってしまった。 つまりもうすぐチャイムが鳴ると言うことだ。 早く起こさないとっ!! 「先生!!木下先生!!」 大きな声で呼んでみるものの、全く反応がない。 今度は揺すりながら、 「起きろ!!」 と怒鳴ってみると、やっとピクリと反応があった。 もうちょっとだ! と思い、一層揺すりながら大声を出そうとした瞬間… 「おーきー…わっ?!」 急に揺すっていた腕を掴まれて、引っ張られてしまった。 ぶつかるっ!! と目を瞑るものの、次に来るはずの衝撃はなく、ゆっくり目を開くと… 「わっ?!//」 目の前には先生のドアップ… 慌てて顔を引くと、やっと起きてくれたらしい先生が、 「ファァア…。藍沢かよ…」 と欠伸と一緒に言われてしまった… いや… 職員室に来いって言ったのあんたでしょう… なんて思ってたら… キーンコーンカーンコーン とチャイムが鳴ってしまった… 藍沢 要。 登校初日に遅刻。 担任のせ・い・で!! 麗ちゃんに怒られないか心配です…(泣) [*前]≡⊂(´∀`⊂)(⊃´∀`)⊃≡[次#] [戻る] |