[通常モード] [URL送信]



校舎の中に入るとますます視線も話し声も増えてしまった。

まぁ智樺と居るから、隠れようがないのだが…(苦笑)

本当はロビーで智樺とは分かれて職員室に行くつもりだったが、


「絶対俺から離れちゃダメ!!」


と首を縦に振ってはくれず、しょうがないので職員室までと言うことになってしまったのだ。

敵意の中、やっとのことで着いた職員室。

何回も振り向きながら教室に向かう智樺を見送った後、ノックをしてから扉を開いた。


「転入生の藍沢ですが、木下先生は居ますか?」


と尋ねれば、近くに居た先生が、


「あそこで寝てる先生だよ」


と苦笑気味に教えてくれた。

言われた机を見てみると、机に突っ伏している人が見えた。

遠くからでも分かるあの金髪は、間違いなく木下先生だ。

教えてくれた先生にお礼を言ってから、木下先生の所に向かうと、スースーと本当に寝ているらしい…

SHRの前に先生が寝ていいのだろうか…?

ダメだろうな…(苦笑)

なんて呑気なことを言っている暇はなくて、職員室にはもう誰も居なくなってしまった。

つまりもうすぐチャイムが鳴ると言うことだ。

早く起こさないとっ!!


「先生!!木下先生!!」


大きな声で呼んでみるものの、全く反応がない。

今度は揺すりながら、


「起きろ!!」


と怒鳴ってみると、やっとピクリと反応があった。

もうちょっとだ!

と思い、一層揺すりながら大声を出そうとした瞬間…


「おーきー…わっ?!」


急に揺すっていた腕を掴まれて、引っ張られてしまった。

ぶつかるっ!!

と目を瞑るものの、次に来るはずの衝撃はなく、ゆっくり目を開くと…


「わっ?!//」


目の前には先生のドアップ…

慌てて顔を引くと、やっと起きてくれたらしい先生が、


「ファァア…。藍沢かよ…」


と欠伸と一緒に言われてしまった…

いや…

職員室に来いって言ったのあんたでしょう…

なんて思ってたら…


キーンコーンカーンコーン


とチャイムが鳴ってしまった…

藍沢 要。

登校初日に遅刻。

担任のせ・い・で!!

麗ちゃんに怒られないか心配です…(泣)




[*前]≡⊂(´∀`⊂)(⊃´∀`)⊃≡[次#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!