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ショートストーリー
キラキラ[ミロカミュ]
のんびりした日だった。

ミロはカノンと街に行くと言っていたので遅くなるだろう、今夜は来ない。

カミュは簡単に夕食を済ませると、久しぶりにゆっくり読書できた。あまりに静かなのでつい夢中になり、手持ちの本を全て読み終えて時計を見ると深夜をずいぶん廻っていた。


ミロはきっとまだ帰っていないのであろうな。


空気のように、というか空気にしては見た目も口も賑やかすぎるが、約束しなくても自然とそばにいる存在。

いないと意識するものなのか。
と一人ちょっと苦笑し、もう寝なくてはというとき、ノックの音が聞こえた。


「カミュ〜!!」



やはりといえば、やはり。
「こんな時間に・・・・・とりあえず水でも飲むか」



キッチンでごくごくと喉を鳴らし水を飲み干したミロは酔って機嫌がよさそうだ。仕方ないなとぼんやり眺めていると甘えた声で名前を呼ばれ、グラスを置いたその指の背でわたしの頬をなでる。

「カノンと飲んでて楽しくなって、やっぱりカミュに会いたくなって。起こしてしまったか?」

「いや・・・」
アルコールのにおいとミロの香水が混じって香り、身も心もぎゅっとなる。


「カミュが好きだよ」



何度となく聞いているこの言葉は、色褪せない魔法のようにキラキラと心に響く。

優しく降りてくるミロのくちづけに捉えられ、わたしもしょうがないなと微かに笑った。




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