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ショートストーリー
バラのジャム[ミロ(カミュ)&アフロ]
「ミロ、お茶に来ないか?どうせヒマだろう」

「・・・・・何でそういう言い方するかな・・アフロディーテ」

カミュがシベリアで弟子をとるようになってから1年が過ぎ、四六時中隣にいたカミュがいなくてずいぶん落ちつかなかったが、ようやくそれにも慣れた。弟子が小さいせいもあって聖域には全然戻って来ないし、オレが遊びに行けばいいのだが理由もなくたびたび行くこともできなくて。

「茶菓子くらいはあるんだろうな?」

「では確かめに来ればいい」


結局ヒマだったので双魚宮へ。魚座の思惑通りである。

テーブルにはお茶の準備がされていて、見ごろのバラは今日に限って室内には飾っていない。アフロディーテが作ったバラのジャムを味見するため呼ばれたようだ。
スコーンに沿えたいい香りのジャム。でもなんだか色が薄茶色い・・・・・。

「甘いものは太るから控えているのだが、せっかく作ったのだからいただこう!!」


「どうだ??美味しいだろう???

控えているとは言っているが甘いものがキライではない食べっぷり。ミロも食べ盛りの10代、もりもりと口に運んでいる。
「アフロディーテ!うん。美味い!何だか色が食欲をそそらないがいい香りがして味は美味い」

「・・・・・・・・・正直な感想をありがとう。
シュラは甘いもの食べもしないし、カニのやつも料理ができるものだから失敗作を食べさせるな。と食べてくれなかったし。やはりミロが一番素直だな」

「いやほんとに美味しいよ。まだ改善点はあるかもしれないけど」
不味かったら顔にでるタイプのミロがこういうのだから、とちょっと自信がついた。


ティを飲んで落ちついた頃。
「なぁこれさ、また作るだろう?」

「また、食べるなら作るが」

「うん・・・・・今度カミュが聖域に戻るときに作ってくれないかな?きっとカミュも好きだと思うんだ」
ミロはそう言って少し照れたように笑った。


「そうだな。あの赤い瞳のヴァンパイアならバラを好んで食べるかもしれないな。約束しよう」



美味しいものを食べたときに、一緒に食べたいと浮かぶ顔は一番大事な人の顔なんだよ。と教えてやりたかったが、ミロは気づいているのかいないのか。

(ん?デスも赤い瞳じゃないか。次は絶対食べさせてやる!!)




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