Song.3「赤いお姉さんは大酒豪」
「マスター、大変よ。」
「え、どうしたのメイコさん。」
「とっても大変なのよ…これは一大事だわ。」
振り向くと、そこにはとても深刻な表情のメイコさんがいた。
メイコさんがそんな顔をするなんて珍しくて俺はすごく焦った。
「な、何があったの!?」
「ええ……マスター。」
「ゴク…ッ!」
ドクドク高鳴る胸を抑えながら真剣に耳を傾ける。
「………お酒がなくなったわ。」
「ぶっ!…ど、どんな大変なことかと思ったら…そんなこと!?」
「そんなことじゃないわよ。私の死活問題に関わる大問題よ。」
「メイコさんが言うと説得力あるね…。」
「ねぇ、マスター。お酒買いに行きましょう。」
「で、でもね、メイコさん。俺、明日が給料日だから財布が寂しい状態で…」
「大丈夫。高いお酒はねだらないから。」
「いや、ほんとにあと千円くらいしか…」
「マスター…お願い?」
ぁあ…!
そんな上目遣いで見られたらっ!
さよなら、俺の千円…!
(メイコさん…もうそのくらいに…)
(大丈夫。ちゃんと考えて買ってるから。)
((それ全部買ったら俺の明日までの食糧費がなくなるよ!))
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