Song.8「お兄さんしっかりしてください」
「ん〜…はぁ。作曲ばっかしてたら腹減ったな。(そういや冷凍庫にアイスが…)」
随時、一定量のアイスを入れとかないと喚き散らすやつがいるからな。
−ガチャ。
「……おい。何してるんだ。」
「うぅ…。」
キッチンに入ると冷蔵庫の前にうずくまってる青い頭。
「カイト?」
「ますたぁ…」
「どうした?大丈夫か?」
「俺…、俺どうしたらいいんですか…俺は…っ!」
明らかに変な様子のカイト。
カイトが変なのはいつものことだが、どこか違う変だ。
「カイトどうした?本当にへn…「俺には決められません!」
「うぉっ!?」
「バニラ味かイチゴ味かなんて…っ!」
「………さぁて、俺は何食べようかなぁ。」
「マスター!俺の悩みをちゃんと聞いてください!」
「それのどこが悩みなんだ!カイトは脳みそアイスで出来てるんじゃないのか!?」
「あぁ!それも素敵ですね!」
コイツ目が本気だ。
「あのなぁ、アイスごときですんごく深刻な悩み方をするな。冷蔵庫の前でうずくまって動かなかったら本気で心配になるだろ?」
「マスターに心配してもらえるのは嬉しいです!でも『アイスごとき』だなんてアイスを愚弄することはマスターでも許しませんよ!」
カイトは耳までアイスで出来てるに違いない。
俺、どんだけ頑張ってもアイス語だけは喋れないぞ。
「はぁ……あぁ、なんかもう…俺が悪かったよ。アイスを愚弄してすみませんでしたね…。」
「わかってくれたらいいんです!それで、マスター。」
「なんだよ。」
「俺はいったいどっちのアイスを食べたらいいんですか!?」
こいつはアイスロイドに違いない。
(知らん!)
(酷いです!マスター!俺をこれ以上悩ませてどうするんですか!)
(いっそ悩み過ぎてアイス脳が溶けてしまえばいい!)
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