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◯ハッピーバースデーver2010.8.27(甲斐)



「あー…くそっ!寝れねぇ…」

現在23時50分。
10分後は自分の誕生日。
携帯を見つめながらずっと0時になるのをドキドキしながら待ってる。

「後10分がすげー長く感じんなぁ。」

寝れなくなる程自分の誕生日が嬉しくてしょうがないのかと言われたらそうでもなくて。
例年ならいつも通りに早寝でいつも通りに起きる。
そして朝、携帯を見たら友達からのバースデーメールが何通も来てて、そういや誕生日だっけ。なんて思い出して嬉しくてにやける。

けど今年は違う。
例年通りなら朝確認するはずのバースデーメールをいつもより遅く起きて待ってる。
だって、今年はあいつが祝ってくれるって言ったから。

「なまえ…どんなバースデーメールくれんのかな。」

絶対に一番に祝うから!なんて嬉しすぎて寝てらんねぇさ!

「後、1分…!」

うわ〜…ドキドキしてきた!わん、病気じゃねぇの!?



〜♪〜♪



「っ、きた!」

0時ピッタリに鳴った携帯の決定キーを押す。
メール欄が開いて差出人を確認すると…

「……って、凛やし!」

一番に祝うって言ったのに!いや、でもまだ0時やし回線の問題で凛が速かっただけかも!



それからなまえのバースデーメールを待ち続けるも送ってくるのはテニス部員とクラスメート。
結局、眠気が限界に達したわんは携帯を握り締めたまま0時30分頃に眠りについた。





「…バースデーメール来てないさ……」

朝、起きて携帯を確認したけどなまえからのバースデーメールは来てなかった。
皆からのバースデーメールは嬉しかったけど、期待してただけになまえからの一通が来ないだけでわんのテンションはかなり低くなった。

「裕次郎!起きてくるの遅い!」

「あー…」

「友達迎えに来てるからご飯食べる時間ないよ!ほら、パン食わえて行っといで!」

「むぐっ!」

母ちゃんに無理矢理口にパンを突っ込まれて玄関まで叩き出された。
友達が迎えに来てるって…わん誰とも約束した覚えがないけど誰だろ。

「ごめん、なんか待たせたみた……い、」

手に持ってたかじりかけのパンを思わず落とした。
玄関のドアを開けた先にいたのは、

「おはよう!裕次郎、お誕生日おめでとう!」





笑顔の君と差し出された綺麗な包み。

(な、なまえ!な、なんで!?)

(昨日、一番に祝うからねって言ったじゃない〜。だから家まで迎えに来ちゃった。学校だと誰かに先越される可能性高いからね!)

(………)

(裕次郎?)

(予想外だったさ…(メールじゃなくて直接って!)

(言った事はちゃんと守るよ。そんなに薄情に見える?)

(や、そーゆー意味じゃなく!)

(?まぁいいか。じゃ、学校行こう!)

(お、おう!(やばい…にやけが止まんねぇさ!)


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