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拍手ログ
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音に惚れた。初めて音を聞いた瞬間に、思わず溜め息を吐いた。ぞわぞわざわざわ、私の背中の毛はさっと逆立って、衝撃は肩を通って、腕の皮膚にぷつぷつと鳥肌を立て、指先には優しい痺れを与えた。
そのピアノの和音と彼女のお腹から出される甘いメロディラインは素晴らしく私のつぼを抑えて、トン、と曲が終わると私の手は勝手に拍手をしていた。

誰の歌と聞くと自分が作った曲だというので、私はそれはまた驚いた。同じ年の女の子が作曲をしていたからだ。
ある人を想って作った曲だというから、その人は優しくて甘い女の子でしょうと言うと、彼女はくすりと笑って、的確だ、あなたのことだよ、とはにかんだのだ。

私、優しくて甘い女の子らしいので、そんなことを言われておちない訳はなかったのです。




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