拍手ログ
10
何の気なしに、綺麗にきっちり切りそろえられた同僚の爪を見ながら、飲み屋でした質問。
「したことある?」
一瞬、ぽかんとしたあと、彼女は少し下世話な質問の意図に気付いて、少しだけ気まずげに俯いた。
「あー…ありますよ。ご無沙汰ですが」
「…ふーん。なんか意外」
面白くないな。
「そうですか?」
「うん。気持ちいい?」
「ええまあ…かなりですね」
この人も、男の前であんな風に顔を歪ませてたりするのか。さらに面白くない。
「それもなんか意外。痛くない?」
「えっと…私、する方なんで」
……うん?
「……え、そういうこと?」
「たぶん、そういうことですよ」
きっちり切りそろえられた爪が、指が、途端に色気づくので、目を離せなくなった。
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!