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小さいときに読んだ本を、何年か経ってから読んでみると、その本に考えさせられる事って増えてる。良かれ悪かれ、色んな経験をしたからそうなるんだろうか。
中学生の時に読んだ、ちょっと難しそうな本を、大人になってから読むとどう感じるんだろう。中学生の私にはまだわからない事だけど、それはなんだかワクワクすること。何年かずっと、宝箱を持ってるみたいで。何かの答えが、箱の中にはあるんじゃないかと。"大人になった私は、まだ宝箱を開けていないようね"
隣のお姉さんに話してみると、お姉さんは笑ってそう言った。
それから遠い先を思い浮かべるように目を閉じた。
子供は未来の明るい面を考えて、時に暗いところも考える。
大人は…、…お姉さんは、どんなことを考えるのだろうか。
子供の私にはまだわからない。大人になったところでわかるかどうかなんて知らないけど。大人が子供と恋愛する気持ちも、私にはまだわからない。
静かに繋がれた震える手が、今はとても寂しく思えた。



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あきゅろす。
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