[通常モード] [URL送信]

NOVEL -ONE PIECE-
sugar & spice
*「Blu*Giallo」の吉村伶次郎さんへ相互記念小説*



「はぁぁああ〜〜〜〜」


明日の朝食の下拵えをしていたサンジの深ーいため息が、広いキッチンの中にひろがった


今日でもう6日もウソップに触れていない


一週間前サニー号は新しい島に着いた


島特有の文化で、ちょうど着いた次の日の早朝に漁船の大漁を願う祭りが開催するということで、お子さま3人組はとても楽しみにしていた


しかしその夜サンジに連れ込まれたウソップは、当然次の日起きることが出来なかった


ウソップが文句を言っても、
「体は嫌がってなかった」だの
「可愛い寝顔に起こせなかった」だの
謝るどころかでれでれとした態度のサンジに、
とうとうウソップがキレた



『一週間俺に触れるの禁止!守れなかったら別れるから』



そんな、サンジにとっては死刑宣告のようなことが告げられたのだった



「はぁぁああ〜〜〜〜」


シンクに手をつきながら、吐いた息と一緒に魂まで抜けているのではないかと思うくらいの深い深いため息


タバコの量も明らかに増えている


最初の数日は見ているだけで満足させようと頑張っていたが、見れば触れたくなるのが恋心


島を出航してからのここ2、3日は、すっかりキッチンに引きこもり、ひたすら堪えていた


「ウソップー…」


思わず名前を呼んだとき


「なんだ?」

「!?」


突然背後から聞こえるはずのない返事がした


あまりの落ち込みに、気配に全く気付かなかったサンジは心底驚く


「な、なんで…!?」

「んー…最近サンジとあんまり話してないなぁと思って」


小さくそう言ったウソップに、罪悪感がつのる


自分のことでいっぱいいっぱいで、ウソップのことを気遣えていなかった


「あー…っと、ごめんな。ウソップ。でも明後日になったら……って!え!?」


ウソップは話を聞かずにサンジに近づくと、ぎゅっと抱き付いた


「へ…?ウソップ、ちょっ…」

「…」


慌てるサンジに、ただ黙って抱き付いているウソップ


「ま…まだ一週間経ってねェよ?」

「俺から触るのはダメじゃねェもん」


一週間触れ合わないことに我慢できなかったのは、どうやらウソップのほうだったようだ


あまりの可愛さと嬉しさにクラクラしながら、抱き締め返そうとする


「ストップ!」「は?」


しかしそのサンジの腕はウソップの体に回る前に空中で制止させられた


「まだ一週間経ってねェからな!サンジから触るのはダメだ」


ウソップに笑顔でそう告げられ、サンジの眉毛がヘニョンと下がった


ウソップに抱きつかれて、ウソップの体温と匂いを感じるのに、触れられない


サンジにとっては生殺しもいいとこだ


しっかりと充電が済んだウソップがゆっくりと離れると


イタズラっぽく、でも照れを隠しきれない可愛い顔で「へへっ」と笑って


パタパタとダイニングを出て行った


残されたサンジは、ずるずると座り込むと


「くっそぉーーー!!」


ガシガシと頭をかいて叫び


明後日になったら、1日中思いっきり抱き締めてやると心に決めたのだった



fin.




*あとがき*
「サンジを困らせるウソップ」というリクエストということで、サンジを思いっきり困らせてみました!

ウソップが素なのか小悪魔なのかは、私にもわかりません(笑)

いつでもお直ししますので、気になる箇所がありましたら仰って下さい!

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!