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NOVEL -ONE PIECE-
君の好きなとこ《3000hit感謝小説》


「なぁ、サンジ…。俺のどこが、その…っ好き、なんだ?」

「あ?」


夕飯作りをしてる後ろで紅茶を飲んでいたウソップがやけに静かだなと思っていたら、そんなことを言った


思わず振り返れば、お気に入りのマグカップを包むように持ち、視線をそこに向けたままサンジの答えをじっと待っていた


「いきなり、どうした?」

「いきなりじゃねぇ。前から思ってたんだ。サンジは俺のどこがいいんだろうって」


作業を再開させつつとりあえず話を聞く


「……それで?」

「やっぱり俺とサンジじゃつりあわねーよ。…だから。だから、別れたほうがいいんじゃねぇか?…って…」

「あ〜そこは嫌いだなぁ。すぐ別れようって言うとこ」


別れる覚悟はしてても、実際サンジの口から聞く「嫌い」の言葉はダメージが大きかった


「…っ、ほ、他には?もっとあんだろ他にも嫌なとこ」


言葉をつまらせながらも話すウソップに、サンジは「ないさ」とあっさり答える


「あるだろ!俺なんかネガティブだし戦闘でもすぐ逃げること考えるし。ルフィやゾロみたいに強いわけでも、サンジやチョッパーみたいに役にたてることもない。俺にできることなんて、何もないんだ!」

「それは違ぇよ」

「だいたい俺っ、男なんだから、ナミみたいに可愛いわけでもロビンみたいに綺麗なわけでもない。女好きなサンジがわざわざ俺と付き合う必要なんてねぇじゃねーか…


俺、このままサンジとやってける自信ねぇよ…」


最後にそう呟くと、そのまま黙り込んでしまった


とりあえず調理が一段落すると、煙草に火をつけながらウソップがいるテーブルに足を向ける


サンジが近づいているときも真向かいに腰を下ろすときもウソップは顔を俯けたままだ


ふぅーっと煙を吐き出して、ゆっくりと告げる


「どこが好きかなんてわかんねぇよ」


ビクッと体を揺すったウソップを見ながら


「だって、それは毎日違げぇんだから」


そう言ったサンジの言葉の意味がわからず、ウソップはそろそろと顔を上げる


「一昨日はお前がチョッパーにほら話をしてるの見て、その想像力がすげぇなって尊敬した。昨日はルフィとでかい魚釣り上げて喜ぶ姿が可愛いなって思った。今日はそのネガティブを俺が支えてやりてぇなって」


ようやく眼が合ったウソップに微笑みかける


「まだまだあるぜ?食事の時に真っ先に席に着くのに全員が揃わないと手をつけない律儀なとことか、自分で嘘つきだって言うくせに絶対に他人を傷付ける嘘はいわねぇとことか。ぁあとそのくせに騙されやすいとことか?」

「俺に聞くなよ」


眼にいっぱいの涙をためながらも、やっとサンジが待ち望んでいた笑顔をみせた


「俺は、ウソップを想う気持ちは誰にも負ける気はしねぇよ。お前は違うのか?」

「お、俺だって…っ!」

「じゃあそれでいいじゃねぇか。つりあうとかつりあわないとか、どうでもいいさ」

「あァ…。そうだよな」


心に刻むように何度も小さく頷いているウソップを見て、サンジも胸をなで下ろした


余裕があるように見えて、サンジも内心ではウソップの「別れる」発言には焦っていたようだ


さて、と煙草を消しながら立ち上がる


「ほら手伝え!さっさと夕飯にしねぇとルフィがうるせぇから」

「おう!」


ウソップも勢いよく立ち上がった


先にキッチンで手を洗うサンジの背中を見つめて


やっぱり好きだなぁと思う


「サンジ、ありがとな」


その大好きな人に、今日1番の笑顔でそう言った


肩ごしにそれを見たサンジ


「あ」

「何だ?」

「やっぱり、お前の笑ったとこがクソ好きかも」


そんなことを言われて意識しないはずがなく、真っ赤になって複雑な表情をさせたウソップに、サンジがニッと笑った



fin.




*あとがき*

サイトに来て頂いてる方、小説を読んで下さる方に本当に感謝したいです!!


ってことで甘い2人でv
なんだかんだらぶらぶだからぁ(*´艸`)


てかサンジがウソップ大好き過ぎ(笑)

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