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その他
嗚呼、貴方は彼を連れていくのですか。(ニル刹)

1st23話後捏造。
ニールに依存している刹那。
ニールでてきません、フェルトとせっちゃんのみ。
それでもよければどぞ(^-^)



















シュンッと音を立てて扉が開く。
真っ暗な部屋に、開いた扉によってもたらされた光へ、足を踏み入れる。
すぐに目に付いたのは、この部屋の主と宙を舞う無数の透明な雫。


「…刹那」


呼ぶと、ゆっくりと振り返った黒髪の少年。
泣いているのだと、振り返った彼の目に未だじわりじわりと溢れ出てくる粒が物語っている。


「刹那」


刺激しないようにと思ってそこに踏み止まり、声だけでもう一度呼んだのに、モーションをかけたのは意外にも刹那の方だった。


「ニールッ!!」


たんっ、と地面を蹴ったかと思うと、次いでフワリと彼のからだが宙に浮き、自分へ抱きついてきた。


「…っ刹那…私は…」

ニールじゃない。
そう言い掛けようとしたが、刹那の言葉がそれを遮る。

「ニールッ、待っていたんだ!」

ぎゅうぎゅうと自分に抱きつきながらふわりと嬉しそうに笑う刹那。
こんな顔、見たことがない。
普段は仏頂面で愛想の欠片もない刹那。
だが今はどうだろう。
ロックオンは刹那のこんな表情も容易く引き出せるのだ。
そしてその彼は今はどこにもいない。
いない、のに彼は今も刹那を縛りつけている。
全幅の信頼を寄せ、求めるのは彼しかいないというかのように抱きついている刹那を見て、ヒヤリとしたものが全身を駆け巡った。



「…刹那っ!!私はニールじゃ、ない、ニールは、…いなくなったのっ…!!ねぇ、刹那っ!目を覚まして…っ!どこにもいなくなっちゃったの…!」


連れていかれそうだと、彼に、ニールに刹那を連れていかれそうだと思った。
大切な家族を失ったところだというのに、刹那まで失ってしまったらと思うと、からだが震えだす。


「刹那っ!」

繋ぎとめたくて、少し乱暴に刹那の肩を掴む。
瞬間、刹那のからだが強張った。

「…ぁ……フェルト…グレイス…」

「…刹那」

「…俺は…、」

正気に戻った刹那は驚きを含んだ顔をしたまま、抱きついていた腕を離した。


「…すまない…」

途端、また宙を舞いだした雫に。

「いいの。」

言って、秘すように刹那の頭を抱えて抱きしめた。





(お願い。彼まで連れていかないで。)






*あとがき*
あ、れ…??
甘甘かきたいのにでてくるネタはこんなのばっかり!
ニル刹に飢えているぞ!
フェルトとせっちゃんは電波で繋がってて仲いいはず!



















依存しすぎる関係に、後追いを恐れて繋ぎ止めた私を、どうか許してください。


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