BLEACH 第二章 参 コツ コツ コツ。 カツ カツ カツ。 ふたり分の足音が、ずれたリズムを廊下に刻みます。 一方は私の、もう一方は先刻紹介された私の妹の音。 代わりの父さまの部屋を出てからずっとついてくるのは、案内を頼まれたから。 大嫌いな、代わりの父さまに。 「ここが私の部屋。向かい側があなたの部屋だってお父さまから伺ってるわ。これで大体の案内は終わったから、あとはあなたの好きなようにすればいいと思うの。私は今から用事があるから、何か用があるのなら使用人の方に聞いてくれると助かるわ。」 言って、踵を返そうとしたらその娘は言いました。 「私、お姉さまのお部屋が見たいわ。」 「・・・え?」 「だ・か・ら。お姉さまのお部屋が見たいの。ねッ?」 「・・・だって、今・・・、私には用事があると「だめなの?桃のお願いなのに。お父さまにお願いしなきゃだめなの?」 「そ・・んな・・ことはない・・・けど「じゃ、いいのね?」 私が答える間もなくその娘は私の部屋へと入って行く。 この後は、 一護との約束があるのに。 今あの娘が私の部屋に入ったら、 全部、 だめになってしまいそう。 そんなのは。イヤ。 「・・・だ・・・めっ!」 ギィ。 叫んだ言葉は掻き消され。 扉は、開いてしまいました。 そこにいたのは、 大好きなあなた。 それなのに、 今だけは、そこへいないでほしかったのです。 扉を開けたのは、私ではない、あの娘だったから。 [*前へ] |