BLEACH
第一章 六
あれから数時間。
あなたは戻って来ない。
少し気になった私は。
お屋敷の中へと足を踏み入れました。
コツ コツ コツ。
私の足音だけが。
広くて寂しい廊下に響きます。
「この、役立たず!!」
廊下を歩いていると、声が聞こえました。
代わりの父さまの声。
そっと足音をたてないように気をつけながら。
声のする方へ近づきました。
扉の影から中を覗いて。
中の様子を窺いました。
瞬間、
私の目に飛び込んできたのは。
鮮やかな橙と赤。
それと、代わりの父さま。
何故。
何故一護はあんなにもぼろぼろなのかしら。
「ルキアをパーティーに出席させられないだと?ふざけるな!!お前は今日がどれだけ重要な日かわかっているのか?!」
「それはもちろん承知の上です。しかしお嬢様は・・・」
「うるさい!!お前は黙って与えられた仕事を完璧にこなせばいいのだ!!雇われの身の分際で、主人に言い訳をするのか?!ルキアが何と言おうとパーティーに出席させろ!あの子の意思など関係ないのだ!!・・・まったく。せっかく重大な役割を任せてやったというのに・・・・」
「・・・申し訳ありません。ですが私はお嬢様にご出席戴くように申し上げることはできません。どうかお嬢様のご出席を取り消してください、そのかわり、私がどんな罰でも受けます。」
「黙れ!!何度言ったらわかるのだ!!」
バシッ。
黒い鞭があなたを襲う。
私のせいで。
父さまの、私の意思など関係ないという言葉よりも、
あなたが私のせいで、私のために犠牲になるということが、
私の胸を刺しました。
どうして。
どうしてそこまで私のために動いてくれるの。
あなたにあんな酷いことを言った私のために。
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