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BLEACH
第一章 伍






そして今日も。
けれど。
今日はなんだか様子が違うあなた。


初めて聞いた、あなたのその真剣な声。



「ルキアお嬢様。今日はお嬢様にお願いがあるのです。」

「なに?」


予感が、しました。


「その・・・。本日、この屋敷で旦那様の誕生パーティーがあるのです。ですからお嬢様には正装にお着替えいただいた上で、パーティーに出席戴きたいのです。」




やっぱり、そんなことだろうと思いました。
そのパーティーは誕生パーティーなんて名ばかりのもの。
真の目的は大人たちによる私の品評会。
及び私の婚約者品評会。
政略結婚というものです。
代わりの父さまは、私を使ってまで更に富と権力を手に入れようとしていたのです。
それがわかっていたから。
私は少し怒りをこめて、あなたにいいました。




「いや。」



「ですが・・・・・」



「・・・いやなものはいやよ!どうして一護までそのようなことをいうの?あなたなら私のきもち、わかってくれていたとおもっていたのに!・・・きらいよ、みんなきらい。・・・もう、でていって!ひとりにしてちょうだい!」





あなたが決めたことではないのに。






それでもあなたは気付いてくれていました。
傷つけるような言葉たちは。
本当のお父さまではない、代わりの父さまを祝うことへの人々の無関心さ、
本当のお父さまが人々の記憶からだんだんと薄れてゆくことへの寂しさ、
代わりの父さまの道具でしかない私の気持ち。
そのすべての裏返しによるものであったということを。




やさしいあなたは。
私の初めてのわがままを、受け止めてくれました。




「・・・・わかりました。」




そう、一言を残して。
あなたは去っていきました。





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