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BLEACH
第一章 壱



その日は雨でした。
私はこの間。
大好きなお父さまとお母さまを亡くしました。
「誰かに殺された」
屋敷の者達はそう噂していました。

一人ぼっちになった私。
知らない人が私のお父さまとお母さまの代わりになりました。
代わりの父さまと母さまは。
それはそれはとても強欲な人達でした。
私の大きな家の名を使って。
いろんな物を、次々と手に入れていきました。


私はそんな大人たちの言うことなど聞きたくなく。
毎日お庭に出て、屋敷の者達と一方的なかくれんぼをしました。
屋敷の者達が鬼です。
私が隠れるのはいつも決まっていました。

薔薇のお庭。

ここはお父さまとお母さまのお気に入りの場所でした。
だから、ふたりが亡くなられてから、屋敷の者達は近寄ろうともしませんでした。
ふたりが亡くなられてからずっとずっと。
毎日かくれんぼをしてきたけれど。
見つかったことは一度もなかったのです。

ここにいれば。
お父さまとお母さまと一緒にいる感じがして。
とても落ち着くのです。

だからその日も。
私は薔薇のお庭に隠れました。



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あきゅろす。
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