BLEACH
第二章 弐
代わりの父さまの呼び出し通り、彼の部屋へと行けばそこには。
私より少し小さな女の娘(こ)がいました。
代わりの父さまは、その娘を自らの前に出して言いました。
「紹介しよう。この娘は桃。今日からお前の妹になる娘だよ。仲良くしてやってくれ。」
肩より少し長いくらいの黒い髪で。
黒い目をした。
私より二つ年下の娘。
その娘は養女として迎えられ、私の妹となりました。
その娘は私の大きなお家の名前を継ぐ者と決められていました。
そのことを聞いた途端。
私は重い物で頭を殴られたように固まることしかできませんでした。
私はココにいるのに。
どうして私が名前を継ぐことができないの?
お父さまとお母さまの大切な名前を。
そう告げたかったのに。
口をつぐむことしかできない非力な私。
悔しかった。
それでも幼い私には代わりの父さまを抑える術なんてなかったのです。
けれどその娘はそんな私にお構いなしに、言いました。
「はじめまして、お姉さま。」
フワリ。
笑った顔は、
なんだか、
嫌な予感がしました。
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