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可愛い彼女



 カチコチカチコチ



 今はもう深夜、12時になろうとしている時刻。


 万事屋の主が寝ている部屋にひとつの影が立っていた。


 カチコチカチ


 静かな部屋に秒針の動く音だけが響く。


 カチコチ


 影が動く。


 影は膨らむ布団の傍に静かに腰を下ろすと、布団に手を伸ばした。


 「銀ちゃん。銀ちゃん。起きるアル。銀ちゃん」


 布団を揺らし、主―銀時を起こそうとする影―神楽。


 「んぅ?なんだぁ?・・・神楽?」


 「そうアル。だから起きるヨロシ」


 半分寝惚けている銀時は目をこすりながら今だ揺らしている神楽をじっーと見つめる。


 「んーーえいっ」


 神楽の手首を掴むと、そのまま引っ張り自分が寝ている布団の中に引っ張りこんだ。


 「ひぁっ!?なにするアルヨ、銀ちゃん」


 耳元で大きな声を出す神楽に眉を寄せながら、しっかり抱き込む銀時は再び瞼を下ろした。


 「俺ァ、ねみぃんだよ、神楽ァ。おやすみィ・・・」

 「ああっまつネ。銀ちゃん、12時過ぎたネ10日になったアルヨ。だからおめでとうアル。銀ちゃんの誕生日ヨ」


 顔を赤くしながら神楽は今にも眠りに落ちそうな銀時に一生懸命に言った。


 (赤くしたのは抱き込まれたからか、それとも恥ずかしく照れたからか)


 「・・・・ありがとなァ、神楽。銀さん、神楽のこと愛してるよ」


 いつの間にか目が覚めた銀時は神楽の唇にチュッね音を立ててキスをした。


 「・・・っ。私も愛してるヨ」




 (さぁ、神楽がせっかく夜這いをしてくれたことだし、ヤルかぁ)

 (なっ////。夜這いじゃないアルっっ。変態銀ちゃん、イヤヨ!!)

 (そんな変態を好きになったのは神楽でしょ)


 その後、神楽はおいしくいただかれましたとさ。



『可愛い彼女』




-*Fin*-





081010


あきゅろす。
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