これが恋の始まり?
「あっ頼久さん。やっと見つけた。ねぇ散歩に行きません?」
探し回って見つけたのは土御門殿。
彼はいつものように警備していた。
*****
「紅葉がきれいですねー」
土御門殿で見つけた彼―源頼久を連れてきたのは近くの山。
季節は秋で、京都となるこの場所は紅葉が名所というのはどの時代も変わらない。
そんな私は元宮亜依。
龍神の神子を務めている茜の姉である。
「今日はなぜわたしと散歩に?」
ちらりと横を見ると怪訝そうに顔をいさめている頼久さんがいる。
「クスクス」
今日はなんの日か分からないらしい。
思わず笑みがこぼれた。
「なっ何でしょうか?」
「ふふふ。今日は頼久さんの誕生日でしょう?」
呆気にとられる頼久さんがおかしくて、笑いが止まらなくなってしまった。
「・・・・ありがとうございます」
赤く照れた頼久さんがなんだか愛しく思えた。
『これが恋の始まり?』
Fin
081003
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