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Time/Times
#03「アレルヤ奪還作戦」の続きな感じで
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「んじゃ、そういうことでこれからよろしくな、アレルヤ。」

ロックオンの弟だという彼が手をひらひらと振って部屋から出て行った。
部屋には僕とティエリアと二人きり。

「アレルヤ、大丈夫なのか?」

先に口を開いたのはティエリアだった。

「なにが?」
「ずっと拘束されていたんだ。体にも負荷がかかるし、どうせロクな食事も口にさせてもらえなかったんだろう?顔色が悪い。休んだほうがいいんじゃないか?」
「たしかに。ティエリアの言うとおりだよ。でもこの四年間何よりも辛かったのは…」

マグカップを置き、そっとティエリアの頬へと腕を伸ばす。

「ティエリアに会えなかったことだからね。」
「っ…」

瞬時にティエリアの頬に朱が射す。
可愛い。
四年前と変わっていない。

「だから、今は休むよりもティエリアと一緒にいたいんだ。駄目…かな?」
「………勝手にしろ。」

ティエリアにぷぃとそっぽ向かれてしまったけれど、彼なりの了承がもらえた僕はティエリアへと近づき、そのまま腕の中へと彼を収めた。
やわらかな髪に顔を埋めれば、香るのは四年前と変わらないティエリアの匂い。
嗅覚を最初に、他の感覚が次第に目覚めていくのがわかる。
この四年間、死んだようだった僕が、今この瞬間生き返っていく。

腕の中にはティエリアの温もり。
たしかに感じることのできる愛しい人の存在。
大好きな人を抱き締められる。
たったこれだけのことがこんなにも難しく、こんなにも幸せなことだったなんて。

「アレ…ルヤ…」

ティエリアの言葉が耳から体中を駆け抜けていく。

「本当に…アレルヤなんだな…」

ティエリアの腕が背中へと回された。
僕の存在を確かめるようにぎゅっと、力強く抱き締めてくる。
僕の存在を告げるため、額に軽くキスを贈れば、ティエリアが僕のほうを見上げた。
そして、どちらからともなく唇を重ねる。

懐かしい感触。
その懐かしさに誘われて舌を入れれば、性急にティエリアの舌が絡められた。
お互いを深く味わうように、舌を吸い、唾液を交換し、角度を変えて続く口吻け。
離してしまうのが惜しいくらいだったが、ティエリアが僕の胸を叩いて苦しさを訴えてきたから、そっと離し、口の端から伝うどちらのともわからない唾液を舐め取った。





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あきゅろす。
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