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最高で、最悪な一日
今日は文化祭当日。
当日はあまり生徒会の仕事もないのでクラスの企画に携わることになる。
俺は今まで生徒会の仕事で手いっぱいで、0組は飲食店をするということを知ってはいたが、クラスの企画に参加していなかった。
たしかに、クラス企画に全然参加していなかった俺が悪いと思う。

けれど、だからって…

「なんで俺がメイド服なんて着なければならないんだ!」

俺が今着ているのは、膝よりかなり上の丈の黒いメイド服。
白のレースやフリルがいたるところにあしらわれている。
膝上まである締め付けのキツいタイツのようなもの。
頭にはヘッドドレスと言うらしい、なにかよくわからない飾りまで…

「いいじゃん!ティエリア君すごく可愛いよ!」
「似合うだろうとは思ってたけど、ここまで似合うとはなー…」

俺の反論を無視して、クラスメートたちは口々に言っている。

「というか、なんでそもそもメイド喫茶なんだ!」
「うちみたいな男子校じゃ、女装って定番じゃん。」
「それに俺らのクラス可愛いどころが揃ってんだから、使わなきゃ損だろ!」
「だからって何も、メイドじゃなくたって!しかも…下着までっ……」

誰が買ってきたのかわからないが、俺は今女性用の下着を身につけている。
スカートというだけでやたら足がすうすうして気持ち悪いのに、その上、女性用下着なんて…最悪だ。

「そりゃあ、やるからには徹底的に、ね?」
「これは、客も大勢来るだろうなー…」
「……俺は、嫌だ!脱ぐっ!」
「いーじゃねぇか。似合ってんだからよぉ。」

メイド服を着替えようと手をかけたら、クラスメートの山をわけるようにハレルヤが現れた。
にやにやしながら俺を見ている。

「ハレルヤ!まさか…俺がメイドやることになってるって知ってたのか!?」
「あぁ、もちろん。」
「なんで教えてくれなかったんだ!」

毎日毎日一緒にいるのに、そんな話一度も出てこなかった。
クラスの企画のことを訪ねたこともあったのに『たぶん大丈夫だ』としか言われなかったし…
いったい、これのどこが『大丈夫』なんだ……





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