事実発覚日
職員室で次の授業の準備をしていると、外から賑やかな声が聞こえてくる。
最近の体育の授業は、外でサッカーをやっているらしい。
時間割りを目にして、今体育の時間を受けているのはうちのクラスなんだと知る。
――ちょっと見てくるかな…
煙草の箱を手に、一服がてら屋上へと向かった。
事実発覚日
屋上のドアを開ければ、そこにはすでに先客が。
「おいおい。高みの見物か?いいご身分じゃねぇか、ハレルヤ。」
皮肉を言いながら近付けば、ハレルヤが振り返った。
「あぁ、アンタか。」
俺を視認したハレルヤはまた姿勢を戻す。
どうやらグランドのサッカーを見ているらしい。
「そんなに気になんなら、一緒にやってくればいいじゃねぇか。」
「汗かきたくねぇから。めんどいし。」
ハレルヤは俺に背中を向けたまま言った。
ハレルヤの横へ行き、俺もサッカーをしている生徒たちを見る。
広いグランドを小さなボールがあちこちへと移る。
きっと生徒たちは必死にやっているんだろうが、上からだとちょこちょこと動いてしか見えず、なんだか微笑ましい。
煙草を一本取り出し、火を点ける。
ふぅと吐けば、煙は青空へと消えていく。
青空の下、グランドの生徒たちを見ながらの一服というのは、なかなかいい。
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