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「兄さん、入るよ」

ノックをして兄さんの部屋へと入った。

「どうした?ロロ」

笑顔で僕のほうを見ながら右手でノートパソコンを閉じる。
兄さんの邪魔をしてしまっただろうか。

「明日の、出撃計画のことなんだけど…」

兄さんと話しながらも、僕は兄さんの後ろにあるノートパソコンが気になった。



「わかった。ありがと、兄さん」
「あぁ、じゃあ今日はしっかり寝ろよ。ロロ」

いけないことだとわかっていた。
兄さんを信じているのに、こんな真似を。
でも、僕が部屋に入ったとき、ほんの一瞬、兄さんが慌てたように見えたから。

ギアスをかける。
兄さんの時を奪う。

ノートパソコンを開くとそこには

「……なんでコイツが」

あの少女の写真だった。
兄さんの妹だという、盲目の新総督。

笑っている。
こちらを向いて笑っている。

僕を、馬鹿にしているの?
嘲笑っているの?


アナタハホントノ弟デハナイデショ?


ムカつく
ムカつく
ムカつく

消してやる
お前なんか消してやる

いなくなればいいんだ
兄さんの弟は
僕一人でいいんだ


右手がマウスへと伸びた。
一押しすれば、この写真は消える。

なのに
兄さんの哀しそうな表情が過ぎった。

ダメだ
押せない
押しちゃいけない

そっとノートパソコンを閉じる。

さっきまで僕がいたところを見つめながら、固まっている兄さん。

貴方の瞳に、僕は映っていますか?

「僕だけを見てよ…兄さん……」

ゆっくりと唇を重ねた。

固まった兄さんをあとにして、僕は部屋を飛び出した。
ドアを閉めた途端、兄さんしか見えなくなった僕の瞳は涙で霞んだ。





―END―
*--*--*--*--*

ロロ大好きです
シャーリーのことがあっても
ロロはルルのためを想ってやったことで
だから、ロロには幸せになってほしい




20080713     侑兎


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