[通常モード] [URL送信]
おかえり
だいじょーぶだ。
一人で行ける。
ビリーが言ったんだ。

『小学生になったから、もう一人で来られるでしょう?』

もちろんビリーが言わなくても、わたしは一人で出かけることくらいできる。

ビリーの家に行くとちゅうに、ワンワンとうるさくほえる犬がいても
ふみきりがあって目の前を電車がすごいスピードで通っていっても

『小学生になったから』

わたしのてきではない。
だから、ふつーに通りすぎることができた。

…すこしはこわかった。





ぐぐぐっとせのびしてビリーの家のインターホンをならす。
早くわたしもビリーくらいでかくなりたい。

『はーい。』
「グラハム・エーカーです。」
『グラハム君!?まぁ…ちょっと待ってね、今開けるわねー。』

ビリーのママさんがドアを開けて出てきた。

「グラハム君、一人で来たの?」
「しょーがくせーになったから、一人で来ました。」
「まぁ、えらいわねぇ。」

ビリーのママさんはえらいえらいと、わたしの頭をなでた。
このくらいしょーがくせーにはできてとーぜんだ。

「ビリー、もう少ししたら学校から帰ってくるから、それまで家に入って待ってましょう。」

ママさんはそう言って家にあげてくれた。
ママさんにビリーの部屋にいたいと言ったらいいよと言ってくれたので、わたしはビリーの部屋でビリーの帰りを待つことにした。






.

→#

1/5ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!