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in my own way
「私の…せいだ……」

ヴァーチェから降りたティエリアはその場に崩れた

「わたしの…せいでっ…彼をっ……」

ギュッと床にあてた拳を握り込む

「わたしが…守ると…彼を守らなければ…いけなかった、のに…」

拳の上にぽたぽたと雫が落ちる





ロックオンが、死んだ。





in my own way





僕だって、悲しい

悲しいというより、どうすればいいのかわからない

ショックで頭が真っ白になって

ティエリアが目の前で泣き崩れる姿を見ても

いまだに現実を理解できていなかった

涙を流すこともできなかった

ただ、呆然とその場に立ちすくむしかなかった



『お前がしっかりしなくてどうすんだ?』



ふいにロックオンの声が聞こえた気がした

そうだ、僕がしっかりしなければ

僕がティエリアを守らなきゃ

ティエリアを悲しみから救わなきゃ

でも、ティエリアにかける言葉がわからなくて

どんな言葉もこの悲しみには打ち勝てない気がして

だから、僕はギュッと抱き締めた

こうするより他に何も思いつかなかった

ロックオンなら、もっとうまくティエリアを励ませられるんだろうけど

僕はロックオンとは違うから


「ア、レル……ヤぁ…っ……」

ティエリアの腕が僕の背中に回される

肩に頭が乗せられ、ティエリアの涙を感じる

僕もいつの間にか涙を流していた

ティエリアをより一層強く抱き締める

僕がティエリアの悲しみを受け止めることで

ティエリアの悲しみが減ってくれたら



僕のやり方、間違ってないよね?

まだ今の僕ではティエリアの肩を濡らしてしまうけれど

いつか僕なりのやり方でみんなをしっかり守ってみせる

だから、見ててね

…………ロックオン





―END―
#23『世界を止めて』より
*--*--*--*--*

僕もロックのようにうまく励ますことはできませんが
アレルヤのように悲しみを抱き締めることはできますから

ロックの死の悲しみをわかちあってくれた友人に捧げます





20080318     侑兎


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