小と中の違い
とある休日、いつもなら図書館へ行く僕も、今日は家にいた。
父の友人家族が来ると前から聞かされていたからだ。
「ビリー、グラハム君と遊んであげて?」
母のこの言葉を待っていた。
「ビリー、久しぶりだな。わたしがあそんでやろう。」
母の横で腰に手をあてる小さな男の子――グラハム・エーカーに会うために。
―小と中の違い―
僕の部屋に連れて行き、ソファーにグラハムを座らせた。
僕もグラハムのの隣へと腰をおろす。
「ビリー、でかくなったな。」
「まぁね。グラハムも大きくなったね。」
「しょーがくせーになったのだからな。とーぜんだ。」
胸を張ってグラハムは言った。
「小学校はどう?勉強とか、友達とか。」
「しょーがっこーなんて、かんたんだ。
わたしはもう足し算も引き算もやれるぞ。
ともだちも、たくさんいるぞ。」
明るく、楽しそうに小学校のことを話す。
聞いていると、なんだか僕まで小学生に戻りたくなってきてしまう。
しかし突然、でも…、と彼の話すトーンが一段階低くなった。
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