Not alone,So lonely
ふと夜中に目が覚めた。
刹那に合わせて寝た時間はいつも俺が寝る時間より早かったし、今日は何もしていないからとくに疲れも溜まっていないせいだろうか。
目を閉じてもそのまま眠りに入ることができず、隣りにいる刹那を起こさないように、俺はそっとベッドから出た。
冷蔵庫を開け俺用にと買っておいた缶ビールを取り出す。
少し酔えば自然と眠くなるだろう。
ソファーに座り缶ビールを飲みながら、今度買い物に行ったら何かつまみになりそうなものを買おうと決めた。
それにしても、夜とはこんなに静かなものだっただろうか。
自分がたてる物音と窓を揺らす風の音ぐらいしかさっきから耳に入ってこない。
夜が静かなのは同時にこの街が平和であることを意味している。
それなのにどうしてか、今夜の静かさは俺に心地の悪さしか与えてはくれなかった。
自然に手がリモコンへと伸び、テレビのスイッチを入れる。
画面に映し出されるのは深夜特有の芸人が出てきてただ騒いでいるだけの番組だったが、くだらなくてもないよりはましだ。
寝ている刹那を起こしてしまわないようにぎりぎりまで音量を下げ、缶ビールを少しずつ飲んだ。
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