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強がりへの優しさ
「わかっていると思うが、一度カプセルに入ったら治るまで出られんからな?」
「治療をお願いします。」

ミス・スメラギのその言葉を俺は治療台の上で聞いた。

話によると治療にかかる時間は三週間。
そんなに寝ていることなんて、できない。

「おいおい、勝手に決めなさんな。」
「ロックオン…」
「敵さんがいつ来るかもわかんねぇ。治療はナシだ。」
「しかし、その怪我で精密射撃は無理だよ!」

アレルヤに言われなくとも、今後のミッションに効き目の怪我が痛いくらい響くであろうことはわかっていた。
でも、だからと言ってこのまま治療を受けるだなんて、俺には出来ない話だった。

「…俺が寝てると、気にする奴がいる。
いくら強がっていても、あいつは脆いかんな……。」




―強がりへの優しさ―




自分のせいで俺に怪我を負わせたと、ティエリアは自分を責めている。
考えずしてもわかることだった。
だが、決してティエリアが全て悪いわけではない。
無鉄砲に飛び出した俺だって悪いのだ。

あのときはティエリアを守らなければと、ただそのことしか頭にはなくて。
防御の形もとらずに、気付けばヴァーチェの前へと出ていたのだから。

それでも、俺の怪我にティエリアは責任を感じているだろう。
――自分を追い詰めてなきゃいいんだが…

集中治療室を出た俺は、足速にティエリアのもとへと向かった。





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