Don't cry〜anxiety〜
なんで、なんで勝手なことしたんだ
人命救助なんて、ミッションプランのどこにもなかったのに
そんな勝手なことしたら自分がどうなるかくらい、予想できたはずだろう?
◇Don't cry〜anxiety〜◇
大きく一つ息を吐いてドアのロックを解除する。
ドアが開けば中にはアレルヤが。
「やぁ、独房入りは終わりかい?」
アレルヤがそんな冗談を含めて言うものだから、俺の言葉もついつい強くなってしまう。
本当はもっと、優しい言葉をかけてあげるつもりだったのに。
「その様子だと、とても反省しているようには思えないな。」
「そうだね…」
なんでそんなに悲しげな表情をするんだ。
泣きたいのは、こっちなのに。
「アレルヤ・ハプティズム……」
揺れそうになる声を必死に抑える。
「ティエリア?」
目をふせれば愛しい人の手が視界に入って、思わず握ってしまっていた。
「…………だぞ」
あぁ、もう駄目だ。
声がうまく出ない。
目に込み上げてきた熱を冷ます術がわからない。
「え?」
「心配したんだぞっ」
そう言ってアレルヤを睨めば、涙が目から溢れ出た。
今までアレルヤのことが心配で、不安でたまらなくて
そういう感情が一気に込み上げてくる。
と、いきなりアレルヤに抱き締められた。
「ごめんね……」
「………馬鹿」
暖かい君の腕の中
これが君の優しさなのか?
だとするならば、あんな勝手な行動をとったのもわかるよ
だって、君は優しいから
僕が不安になってしまうくらい優しいから
でも不安を失くしてくれるのも、君の優しさなんだ
だから、優しい君が、どうしようもないくらい好き
END
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