休日の過ごし方
目覚めると、隣りにはまだすやすやと寝ている恋人がいた。
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長い睫毛、高い鼻、さらさらとした髪…男にいう言葉としてはおかしいのかもしれないが、ロックは綺麗だ。
でも、だからと言って外見が好きで付き合っているわけではない。
優しくて、でも優柔不断なわけではなく頼れて、時々子供扱いしてくることもあるが、ロックだと不思議と嫌じゃなかったりする。
そういうことも伝えたいのに、何故か本人を目の前にすると声が出なくなり口だけがぱくぱくと開閉するだけになってしまう。
昨日だってそうだ。
好きだと伝えたかったのに声が出てくれなくて。
後ろから抱きしめられていたから顔は見られなかったが、声はいつにもなく寂しそうだった。
昨日は時間をかなり費やしてなんとか伝えられたけれど、どうしたら伝えたい時に声は出る?
寝たままロックの顔を見つめていても、答えが出るはずがない。
けれど、なんとなく今なら言える気がする。
恋人は寝ているけれど、言葉にはなる気が…
「…すき」
言えた。
「好きだよ、ロック」
なんで今は言葉にできるのに…
「好き、だから…ッ…」
頬に冷たいものが流れ、自分が言いながら泣いてることに気付いた。
大事なときに伝えることができない自分が悔しい。
涙は止まることなく頬を伝い枕を濡らしていく。
そっと頬に何かが触れ、目を開けるとそれが手なんだとわかった。
手の主はいつの間にか起きており、目を合わせたらふわりと微笑んだ。
「わかってるから。」
親指で涙を拭ってくれる。
「刹那の伝えたいことは言わなくてもちゃんとわかってる。大丈夫。」
なんでこんなにも、欲しい言葉を言ってくれるのだろう。
「ロック‥‥‥大好き‥‥」
言えた。
涙流しながらなんて少しぶざまだけれど。
ロックは驚いたように目を見開いたけれど、くすっと笑って
「あぁ…俺も刹那が大好きだ。」
優しく口付けを交わした。
-message- END
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刹那キャラ崩壊気味ですみません
でもぶっちゃけ僕の中の刹那はこんな感じです
ちょっと立夏っぽい…
(ストラトスって呼ばせてたのをロックに変えてみました)
20071112 侑兎
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