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その先の世界
本屋
冷房のきいた広い室内で面白そうな本を探した。友人は漫画のコーナーで立ち読みをしているらしい。
並びに並んだ数え切れない本数の中、小説のコーナーを歩く。

と、そこで何となく足が止まった。


「その先の…」


小さく声に出し読んでみたその本のタイトルは『その先の世界』というものだった。
タイトルはともかく、珍しいことに表紙には暗い文字で『その先の世界』と書かれているだけであった。
何となく、本当に何となく本を手にとると固いカバーがしてあり中身は覗けない仕様になっていた。


「……………」


表紙のあまりの無愛想さと固いカバーに妙な興味を刺激され、迷いながらも僕は本を手に持ちレジに寄った。


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あきゅろす。
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