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キングドドンゴ





『でもやっぱり逃げるしかない!!』



キングドドンゴを背にして一気に走る。
キングドドンゴもダンゴムシのように体を丸くしてこっちへ転がってきた。

走って逃げても所詮ヒトの足。
このままじゃ逃げ切れ無い。
地面はけっこうでこぼこで走りずらく、段差に足が引っ掛かって転んでしまった。



『うあ…ッ!!

ってどんどん近づいて来てるし!!』



立ち上がるには間に合わない。
そういえばリンクとナビィはどうしたのだろう、怪我はしてないだろうか、
お姉ちゃんは今とてつもない危険に出会ってます、つか助けて下さい。

あ、本音出ちゃった。

とにかくその場でしゃがんで身を縮こませる。
唯一できる防衛とはいえ……、ああ短かったな……私の人生。



……………

…………………

―――ドカアアン!!




『へ?』


よく解らない音が耳に入った。い、生きてる?
……すげぇ……生きてる。

とにかく、潰されずに済んだらしい。多分段差のすぐ下にいたからだろう。そのままキングドドンゴは跳ねて壁にぶつかった様だ。

立ち上がってみるが足を痛めた様だ。上手く歩けない。



『痛っ……』



それでも危険は変わりなく、
こっちに体を向けて口を開けてきた。
あれは口から炎出す攻撃じゃん……。
口から零れ出る炎の片鱗に、脱水症でこれ以上かけない冷や汗が背中に溢れた気がした。


対処は爆弾花………だけど、四方に咲いてはいるが今からじゃ取れなくてそれ以前に脚を痛めて動きずらいからどっちみち炎の餌食になる。



もうここで駄目かな……。
炎に炙られて炭となって消える……。
跡形も残らないかもしれないんだ、異界人らしい終わりかたかもしれない。

友達にも、リンクにも会えずに死んでいくんだ……

これ以上考えたら辛くなる。

何も考えずにぎゅっと目を閉じた。



「姉ちゃんを喰うなァーーー!!!!」




キングドドンゴの真上辺りの天井の岩壁が崩れた。
穴から爆弾花を持ったリンクが降って来た。




『りっ、リンクッ!!!!????』


「喰らえ!!」




リンクの投げた爆弾花は開けたままのキングドドンゴの口の中へと入り込んだ。
それは見事体内で爆発し、キングドドンゴは崩れ落ちた。



『あわわっ』



痛む足を我慢してリンクをキャッチしようと駆け寄る。

なんとかリンクの方へと寄り、間に合ったが衝撃に耐え切れず仰向けの形で倒れてしまった。
頭打った………(泣)



『いだだだ………(汗』

「ナイスキャッチ!」

『あのねぇ………』

《ヘイユキセ!大丈夫?食べられかけてない?》

『あはは……、この通りもーボロボロだよ……』




倒れた時に頭を打ったので少々痛むが辛い程ではない。クラクラはするけど。
それより外傷が酷いよ……。
早く帰って休みたい。


それにしても、キングドドンゴは爆弾が効くなんてよく気が付いたなぁ。

まあもう悪さはしないだろうね。



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あきゅろす。
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