対峙
身体的にも精神的にもグロッキーな状態でしばらく進んでいると、
だんだん明るい所に来た。
明るさに比例して温度も上がってる様な気がする。
なんかもうサウナ。ぢりぢりと身体中焼かれてる。
一日中何もしないでここにいたら丸焼きになりそうだ。
『あぢぃ……』
辺りを見渡して、ふと気づいたことがある。
そういえばなんかモンスターが一匹も
いないような……。
しんとしていて聞こえるのは自分の足音と息づかいと
何処からか聞こえる熔岩が煮えたぎる音だけ。
さらに顔から伝った汗が地面に落ちる音がした。
他に道がなくて、狭い穴を見つけそこをぬけると
広く中央にマグマの巨大池がある空間へとたどり着いた。
って……よく見たらここってボス部屋じゃん………。
ふと後ろから妙に生暖かい風が………てこの空間自体暑いから生暖かいかなんてわからない。寧ろ生臭くて暑苦しい熱風だ。
それに生き物が呼吸するようなリズムで。
ここにいる自分以外の生物なんて王たる貫禄を持つ巨大なあれ以外いるわけがない。
……あ、死亡フラグ?
見たくないけどそのまま後ろからパクリとされちゃうかもしれない。
解っておきながら現実と向き合わなきゃいけない……
世知辛い世の中になったなぁ……。
やっぱり振り向かなきゃいけないのか。
ハイ
いっせー
のー
せ「ガアアアアアアァァァァァ!!!!!!」
と大きな口を開けて鳴いて下さいました。
本当にありがとうございました。
まあ大きなお口。
鼓膜が死にそう。
じり……じり…と後ろに下がるが
狙った獲物は逃がさないと言うかのように
キングドドンゴが爬虫類独特の細長い瞳孔が開き、鋭い目でこちらを睨みつけながらも近づいてきた。
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