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アニキにご説得





『それは、……』



言いかけたところで泣き声が聞こえた。
耳を澄まして聴くとゴロン族の子供がお腹を空かして泣いているようだった。



「お腹空いたゴロ〜!」

『(飢餓……か)』



しかも人為的な。
ガノンドロフが望みの物を差し出さなければ一族を根絶やしにするという訳なんだろう。

確かドドンゴが住む洞窟に彼等が食べる好物の岩があると言ってた。



『リンク、オカリナであの歌吹いてくれないかな』

「え?どうして?」

『いいからいいから。あ、止めろと言うまで止まっちゃ駄目だから』

「?」



リンクが疑問に思いながらもオカリナであの歌……サリアの歌を吹いた。
自分じゃ最後まで吹けないから。





「ん?なんだそりゃ……この熱いリズム…」





……この後起きた事は想像にお任せする。

ナビィがダルニアの行動を見て思わず固まった。自分も初めて見た時開いた口が塞がらなかったからな……。

衝撃だよね、うん。


「オメエらよく俺の趣味を知っていたな!久しぶりにノれるリズムだったゴロ!!最近ハッスルしてないもんでな、ストレス解消になったゴロ!!」



ガハハハと笑う踊りまくったダルニアはなんかすっきりした顔をしていた。
そりゃ、あんだけ踊ればね……。

その後、何とか話だけは聞いてもらえる事になった。



「俺たちは岩を食う種族だ。
それがよ、ドドンゴの洞窟に住む古代竜が暴れだしやがって
好物の岩を取りにいけなくなっちまった!

あいにくお前達に構ってる暇はねえゴロ」



ダルニアが苛立っていた原因はそこらしい。



「どうしても精霊石がほしけりゃ、リンクとか言ったな。古代竜キングドドンゴを倒してオトコになってみな!」



交渉成立ってことで意気込みながら出発しようとしたところ、ダルニアに声を掛けられた。



「嬢ちゃんはよしとけ。あぶねぇゴロ」


そう言われ、洞窟に行くのを止められた。
こちらの身を心配しての言葉だろうが…もちろんリンクは反対した。



「姉ちゃんだって戦える!」

「あそこは女が易々と行ける場所じゃあねぇ。
止めておけ」



自分はダルニアとリンクの言い争いを見ていた。
自分と言えば一般ピーポーでただのオマケみたいなものだしなぁ……。
普通とは違う、熱した地帯の中で生きていけるか……。
本音を言えば、自ら危険な場所に行く気はない。

けれど、これでも死んだ人(樹?)との約束がある。死んだら元の世界に帰れないが、リンクが死んでも元の世界にきっと帰れない。



『ダルニアさん、……私は約束があるんです』

「だがよ、嬢ちゃんを見るととても強えぇとも思えねぇな」

『はい、私は強くもなんともないです。ただ少しだけ剣を教わっただけです』

「なら、」

『なによりリンクだってああ言ってるけどドジなんです。
誰かが見ていなくちゃひやひやする。

それにダルニアさんならリンクみたいな子供を一人で行かせないでしょう?』



にやっと笑ってダルニアを見る。
ダルニアは此処から離れることは出来ない。万が一またガノンドロフが来たらゴロン族が危険だから。

そこを突いてみれば一瞬困ったような顔をしてダルニアは笑いながら了承した。



「強情だなぁ嬢ちゃんも。流石女にゃあ口で勝てねえゴロ!
だが奴と戦うのは避けろよ。
ちゃっちゃか行って帰ってきやがれ!!」





結構ダルニアは笑い上戸の気がする。






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あきゅろす。
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