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ゴロン族





あまりにも見るに堪えない惨状だったため、休憩タイムをとったらだいぶ治まった。

いやぁ、疲れると頭のネジがぶっ飛んだ感じになっちゃうんだよねあはは。



《あれはもう完璧にぶっ飛んでたケド》

「というか、邪気眼とか何ソレ……」

『ん、知らない』



《解らないなら口に出さないでヨ……》と愚痴る妖精の声が聞こえたけれど聞こえないフリをした。

そうやってるうちに上から何か音が聞こえてきたけれどリンクに呼ばれてそちらを向いた。



「姉ちゃんって、何処に住んでいるの?」

『ん?あー……』



普通ならばカカリコ村や、ハイラル城下町の方へ暮らす事が多いだろう。
利便性を考えて。
それに国のトップである王の娘、ゼルダ姫に使命を命ぜられたのだ。親が心配するならまず報告しに一旦帰ると思うし。

けれど自分は帰る素振りすら見せなかった。
から家はここじゃないのだと思ったんだろう。



唯一助かったのは何日も家を空けてるから一旦帰らなきゃいけない理由をリンクが知らない、解らないという事かな……。

けど常識は知らなくてもお金の使い方くらいは教えておいてよデクの樹よ……。


「城下町でもカカリコ村でもないの?」

『んー……、まぁ……なんて説明したら良いんやら』



言ったらどうなるかな。けど異世界のことなんてそう簡単に言っちゃいけない気がする……。
なかなか口に出せなくてもごもごと口の中で言葉は詰まっていった。
しかし、リンクの方を見たら本人がそこから消えていた。



『……あれ?リンクは?』

《リンクなら岩と一緒に転がって行ったよ》



リンクは大きな岩に踏み潰されてる形で坂の登り始めた場所へ逆戻りになっていた。

何か理由をと必死に考えていたのでリンクが巻き込まれていたことに気づけなかったようだ。リンクはというと岩の下に踏み潰されそこから抜け出せない様だ。




「もー!!何なんだよこの岩!!」

『ゴロン族だよ』



にゅっと丸まっていた岩から顔が現れてナビィが《きゃ!?》とびっくりした。

確かにびっくりする。



「ゴロ?珍しいゴロね。お客さんゴロか?」



自分で踏み潰しているリンクに気付かずこちらに話し掛けてるゴロン族。
リンクはたまらずゴロン族を蹴って脱け出したが痛かったようで蹴った脚を抱えて唸っていた。


「此処は子供には危険ゴロ。
だからお家へ帰った方がいいゴロ」

「族長のダルニアに会わせてくれよ!
オレは炎の精霊石を……」



痛みに耐えて立ち上がりゴロン族に訴えかける勇ましい姿を見せたリンクだが、他の転がって来たゴロン族に潰されていた。
哀れリンク、君の勇姿は忘れない。




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