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古き言い伝え





リンクが意気込んでゼルダ姫に言う。


「あと二つ精霊石が…オレ、探してくる」

「リンク!?」



リンクの言葉に驚いたのか、ゼルダは目を見開いた。



「ゼルダ姫はそのオカリナを持っていて。
オレ達、必ずあと二つの石を探してここに帰ってくるよ!!」

『オレ達…て自分もか……』



ナビィは元から入ってるとして。
お使いみたいに簡単に行ける場所でも無いんだけれどねぇ……リンクはそれを解っているのかな。



「……駄目だった?」


残念といった感じでショボーンとするリンク。まぁデクの樹の事もあるから嫌だなんては言わないけど。


『いや、構わないよ…』


けれど今のカッターナイフで乗り切れるかどうか問題だった……。

リンクが持っている剣に比べればカッターナイフは更に近距離で大した攻撃なんて出来やしない。
せいぜい切傷を作る程度だ。



「本当にありがとう、リンク、ユキセ。
お礼の代わりと言ってはなんですが、あるお話を教えます」





それは遠い遠い昔……、

あらゆる生命はもちろん、

大地や海さえもまだなかったころ、

混沌の地 ハイラルに
黄金の三大神が降臨した…。その話はハイラル王家だけに伝わる話。

ディンは炎の腕(かいな)で大地を、

ネールは英地で法(のり)を、

フロルは豊かな心で命を産んだ。

使命を終えた三大神は、

天に帰るときに黄金の聖三角


"トライフォース"


を残した。

手にした者の願いを叶えるというトライフォースを

心悪しき者から守るため、

古の賢者たちは神殿を造り、入口を「時の扉」でかたく閉ざした。



"三つの精霊石を集めし者、ここに立ち、時のオカリナをもって時の歌を奏でよ。

さすれば、扉は開かれるだろう"



これが世界創造の物語。

ハイラルの祖が伝えし世界のはじまり。





「……私も、亡くなったお母様に聞かされました。
決して誰にも言ってはいけないって……、このオカリナのことも…」


「そんな大事な話、オレ達にしゃべって良いの?ゼルダ」


「あなた達は私の話を信じてくれた。
お父様だって信じてくださらなかったのに。

だから…私もあなた達を信じます」



ふんわりと微笑みながらゼルダは子供らしい笑顔を向けた。

ゼルダの微笑みはあどけなさのある、とても可愛らしいものだった。

…………ああああっ可愛い!!!内心悶えながらけれどそれを表に出さずに少し口角を上げるくらいに留めてみせた。

おもちかえりぃーとかおもちかえりぃーとか叫びたいけれども!!
世間は怖いから止めておく。



「イヤオレそんな……」



と照れながら背中をかくリンク。
二人揃ってゼルダの笑顔にやられたという訳ださすがゼルダパワー!(何それ
その時後ろに瞬時に誰かの気配がして
振り向いたリンクが驚いて後ろへのけ反ってた。

笑ったらリンクが顔を真っ赤にして怒ってきた。八つ当たりはよくないよリンク。


『まあまあ、
………たしか昨日会いましたね』

「ああ、確実にな」


自分の問いに大人の女性の笑みで返してきた。胸元の涙を流す目のマークが印象的な女性が振り向いた先にいた。

「彼女はシーカー族のインパ、私の乳母です。ねぇインパ、この人達が夢で見た森からの使者と翼に関係する人よ」

「私はゼルダ様をお守りする者……。
緑の少年、おまえの事は昨日、城下町でずっと見させてもらった。
賊と戦ったのも全てな……」



リンクの行動を見てどういう人物か見定めていたんだろう。果たしてリンクは彼女にどう映ったんだろうか。
……まさか自分もそれの内に入るのかもしれない。魔物の翼だと表現されたのだから。



「ふっ、姫の願いを託すのに相応しい、勇気のある少年と少女と見ました」

「ふふっ、もういつも何もかもお見とおしね!」



要は自分達の技量が如何なるものかインパはゼルダ姫の先を越して見ていた、ということらしい。
たしかにあのガノンドロフが手こずっていた精霊石を手に入れるのは並大抵の事では無いだろう。

自分には無いけれど、リンクには剣の才能はある様子。
自分は……剣は扱えないが、リンクをサポートするだけの原作の知識は一応はある。
けれど薬草や茸類などの知識はない。
良かったら図鑑やらの本を貸してもらえやしないだろうか。



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あきゅろす。
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